hayatouriの日記

はやとうり の独り言

大震災と人工透析 その1

 

近い将来起こると言われている南海トラフ巨大地震
 
2013年の有識者会議によれば、和歌山県の死者は約8万人と想定されています。
 
これは静岡県の10万人に次ぐ死者数となっています。
 
社会的インフラは大きく損傷し、命を失わなかったとしてもその後大混乱が起こると予想されています。
 
私の治療院にも人工透析をされている方が何人かお越しになっていますが、常時地震に備えて連絡網を確認するなどの対策を行っておられます。

 

3日程度の間隔で人工透析を行わなければ命に関わる状態が起こります。

 

人工透析はまさに中断の許されない医療行為なのです。

 
透析患者さんの日常の訓練も東日本大震災の教訓から学んだ対策なのです。
 


東日本大震災直後の宮城県の透析施設の教訓ついて調べてみました。

 


仙台社会保険病院腎疾患臨床研究センターの木村朋由氏は、2011年6月17日から横浜で開催されている日本透析医学会(JSDT2011)の緊急企画「東日本大震災と透析医療」で次のように話しています。


木村氏はまず、今回の大震災における被災状況を振り返りました。
 
宮城県全体の死者は9166人、行方不明は5058人で、日本全体(死者1万5341人、行方不明8298人)の大半を占めていました。
 
その上で、県内の透析患者の被災状況も報告しました。
 
それによると、透析患者4700人中、震災で死亡したのは35人、行方不明は10人、震災関連死は23人でした。
 
死者、行方不明者とも県東・沿岸部に集中しており、今回の大震災では津波による被害が甚大であったことを物語っています。


発生直後、宮城県内の透析施設に何が起こっていたのか。
 
木村氏によると、3月11日の夜9時時点で、停電が53施設(100%)、断水が48施設(91%)、装置や建物あるいは配管の被害が40施設(75%)で確認されたことが明らかになりました。
 
発生の翌日の朝9時時点のまとめでは、透析可能な施設はわずか9施設、使用可能な病床は239床で、震災前の1739床の14%に落ち込んでいました。
 
血液透析医療は災害に弱く、ライフラインに依存した治療であることを実感した」と木村氏は話しています。

 

最終拠点病院として、県内の透析医療を支えてきた仙台社会保険病院はどうだったのか。
 
 
震災当日、病院ではまず、入院患者の安全確保に動きます。
 
患者全員をいったん屋外に避難させた上で、施設の被災状況を確認。
 
損傷が少ないと判断された第1病棟(215床と検診センター)に分散避難としました。
 
全部で420床の病院は、第1から第3まである病棟のうち第2病棟(150床)は、損傷がひどく、現在も使用不能の状態です(2011年6月現在)。残ったのは第1病棟と第3病棟(55床、透析センター)でした。
 
「酷なことに、この日は雪が降った」(木村氏)。

 

つづく