前回の続きです。
中村さんは続けます。
「21年度決算を見ると、J2の冬季純利益の平均値は1500万円、中央値は1800万円で、実は単年の利益で見ると、J2は人件費を始めとした支出が少ない分、J1よりも経営状態は良いのです。
仮にJ2選手の平均年俸である400万円の選手が30人所属していれば、インボイスによる新たな税負担は約1090万円となります。
つまり当期純利益の大半を失うことになります」
と中小クラブへの影響を懸念しています。
選手もスタッフも今の条件を据え置く場合、新たな負担を賄うには、観戦チケットやグッズ等の価格に転嫁せざるをえません。
ところがこの値上げ分は、新たに発生する税負担を吸収するだけで、クラブに利益は残りません。
ただでさえ物価高で生活が苦しくなる中、サッカー観戦の貴重な息抜きの場まで値上げが起きる可能性があります。
しかも税として吸収され、クラブ強化にもつながりません。
新たな消費税負担も全て被る事は現実的には難しく
①クラブが負うか
②年俸1,000万円以下の選手が負うか
③チケットやグッズ等の値上げといった形でサポーターが負うか
いずれにせよ誰も得することがない事態が発生してしまいます。
コロナ禍でJリーグの各クラブは、無観客での試合を強いられ、経営ダメージから回復しきっていません。
そんな中インボイスが強行されれば存続が危うくなるクラブが出てもおかしくない事態となっています。
中村さんは訴えます。
「これ以上、理不尽な負担をサッカー界が負う必要はありません。
クラブも、選手も、サポーターも、インボイスに明確に反対を表明すべきです」
なかなかわかりにくいインボイス制度ですが、導入されれば多方面にわたって悪影響を及ぼします。
インボイス制度の導入はきっぱりとやめるべきだと思います。