皆さんはこのニュースをどう受け止められたでしょうか?
人工妊娠中絶のための国内初の飲み薬の承認が話題になっています。
厚生労働省は3月にも薬事分科会を開いて、承認の可否を示す見通しのようです。
もし承認されれば、国内では手術が中心の中絶手段に選択肢が増えるメリットがあります。
一方、海外よりも高額となる見通しの費用など課題を指摘する声もあります。
今回は少し難しいですが、この「中絶薬」や中絶そのものについて考えてみたいと思います。
現在、審査されているのは英製薬企業ラインファーマの日本法人が申請した「メフィーゴパック」。
妊娠初期の9週0日以下に限って使用可能となっています。
薬は『ミフェプリストン』と『ミソプロストール』の2種類です。
妊娠を継続するホルモンの働きを抑えるミフェプリストンを飲み、36~48時間後に子宮を収縮させて内容物を排出するミソプロストールを飲みます。
治験では24時間以内に93.3%が中絶にいたったことが確認されています。
厚労省などによると、同様の経口中絶薬は1988年にフランスで初めて承認され、少なくとも65以上の国と地域で使用されています。
例えばフィンランドでは、2000年から薬による中絶が可能になりました。
現在は97.7%の中絶が薬によって行われています。
資料によれば、まず経口剤(ミフェプリストン)を飲み、1・2日後に膣錠(プロスタグランディン)を使い、同時に鎮痛剤を飲みます。
2時間ほどで、普通の生理より多い出血が始まります。
鎮痛剤を使うのは、生理痛のような痛みが発生するからです。
条件によっては、自宅で薬を使用できる場合もあるそうです。
医師はその後、超音波によって妊娠を確認することと、家で中絶薬を使った後の処理をおこないます。
日本では金属製器具による「掻爬(そうは)法」が中心です。
感染症などの合併症の発生率も高く、世界保健機関(WHO)は2012年に「安全性に劣る時代遅れの中絶法」と既に指摘しているのです。
厚労省が発表した2020年の数字です。
年間14万5000件の中絶手術が行われています。
最も多く用いられているのが『掻爬(そうは)法』で、金属の器具を使って内容物を出す手術です。
また、内容物を専用の器具で吸引して取り出す『吸引法』もあります。
つづく