昨日の続きです。
80年代までの「皆婚」を支えていたのは、お見合いと職場結婚という「結婚のお膳立て」でした。
結婚件数は最多だった72年と2015年を比較すると46万件も減りました。
これはお膳立て婚が減った分と一致します。
つまり、出生数の減少はほぼ結婚数の減少だと言えるのです。
(このブログでは、対象をわかりやすくするため、お互い合意の上で法律上の結婚をしないままでの家庭を持つことや、子どもを持つことなどについては触れないでおきます。でもそれには私なりの考えはちゃんとありますけど。)
現代において、もはやお膳立て婚を復活させることはあり得ないでしょう。
今や上司が結婚を勧めるとセクハラになりかねない時代です。
重要なのは、若者が結婚できない障壁は何なのか、その原因を明らかにして対処することです。
結婚できない理由に経済的理由を挙げる人は25%もいます。
30代までの未婚者のうち結婚したいのにできない「不本意未婚」が約4割を占めています。
経済的問題が解決すれば、1割程度は結婚が増えるでしょう。
非正規雇用の人たちの未婚率の高さが注目されていますが、雇用形態に関係なく全体的に若者の給料が低過ぎると考えられます。
20代の半数以上は可処分所得が300万円にも達しておらず、結婚は困難になっています。
よくよく考えれば、子育て支援はすでに子どもがいる夫婦への支援なので、その夫婦にとっては有益なものでしょう。
しかしそれは出生数を大きく増やすことにはつながりにくい政策です。
今の日本の子育て支援政策も考えてみれば「後出し」的な政策が多く見られます。
もちろん、今現在子育てされている方々のご苦労をされている課題を取り除く事は当然必要です。
しかし、もっと先を見据えて「先出し」の政策的な対応をしなければ、この問題は二度と解決するチャンスを失ってしまいます。
出生数を婚姻数で割った「発生結婚出生数」を指標とすると、現状は約1・5人なので、婚姻が一つ増えれば1・5人子どもが増える計算になります。
90年代に第3次ベビーブームが来なかった時点で、少子化も人口減少も残念なことに確定された未来だったのです。
当然のことながら、結婚しない人生の選択も尊重されるべきです。
しかし、不本意未婚が4割もいる現実は大変深刻です。
当事者が「子どもはいらない」という気持ちになってしまえば、もはやどんな対策をしたところで、手の打ちようがなくなってしまうからです。
つづく