hayatouriの日記

はやとうり の独り言

コロナ禍で医療機関の倒産増加  その1

東京商工リサーチの調査によればコロナ禍の影響は、医療機関にも及んでいます。


2021年(1-12月)の一般診療所(以下、診療所)の倒産(負債1,000万円以上)は22件(前年比100.0%増)で、前年の2倍に急増しました。


特に、新型コロナ関連倒産は11件(構成比50.0%)と半数を占め、コロナ禍で診療所の経営も圧迫されたことがわかりました。
 
まず最初に病院と診療所の違いについてです。
 
病院と診療所の大きな違いはその規模です。
 
病院の場合は、入院施設としてベッド数が20床以上(「総合病院」の場合は、100床以上)で、医師の数も最低3名以上(40人の外来患者様に対して医師は1人、16名の入院患者様に対して医師は1人)が必要です。
 
これに対し、診療所は、入院施設としてのベッド数は19床以下。入院施設がなくてもOK。
 
医師も一人で患者様を診るケースがほとんどで、医師一人が診る患者様数に制限はありません。
 
医師以外のスタッフに関する規定もあり、診療所で入院施設がある場合は、看護師、准看護師、看護補助者は必要ですが、入院施設がない場合は医師一人でも開業することは可能です。
 
診療所は身近にある「かかりつけ医」を担う医療機関となります。


コロナ禍で医療崩壊が取り沙汰されましたが、「感染拡大防止補助金」などの支援補助金は感染者を受け入れない医療機関にも支給されました。


しかし度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令で、外出自粛が浸透し受診控えが広がっています。
 
オフィス街の診療所は、企業のテレワークの広がりで患者が減少しました。


高齢患者を中心にした眼科、内科等も来院患者数の減少が痛手となりました。


コロナ禍前から小規模な診療所は、医師の高齢化に加え、大手病院や街中のクリニック等との競合で厳しい運営が続いていました。


新たな変異株「オミクロン株」の出現で、新規感染者数が急増しており、今後の感染状況によってはさらに経営が悪化する診療所の増加も懸念されています。


倒産件数が前年比倍増、過去30年間で3番目の水準


 2021年(1-12月)の診療所(病床数20未満)の倒産(負債1,000万円以上)は、22件(前年比100.0%増)で、前年から2倍増しました。
 
 
1989年以降では2009年(27件)、2019年(23件)に次ぎ、3番目に多くなりました。
 
特に、コロナ禍が起因した倒産は11件(前年ゼロ)で、全体の半数(構成比50.0%)を占めています。
 
長引くコロナ禍で外出自粛が広がって来院患者数が減少、白内障手術を手がける眼科、神経科などで倒産に追い込まれたケースがあります。
 

 

つづく