昨日の続きです。
暴君ネロのお話でしたね。
ネロはキリスト教徒を弾圧し続けました。
ところがキリスト教徒の数は、ネロの思った以上に多く、弾圧しきれない状態になってしまいました。
もはやキリスト教徒は、ローマ帝国最大の宗教になってしまっていたのです。
なんと大転換しキリスト教を国教とするのです。
少し振り返ってみますと、かつてユダヤ教徒はローマ帝国により離散させられました。
そして、そのユダヤ教徒によって弾圧されたキリスト教がありました。
そのキリスト教が今度は逆にローマ帝国の国教となって世界中に広まるきっかけとなったのです。
何と言う世界史の流れでしょうか。
さあ、ここからはイスラム教についてです。
キリスト誕生から約600年経過した頃のお話です。
ローマ帝国の影響力もいろいろバランスの違いが出てきています。
今のトルコ・シリア・イラク・ヨルダンあたりまでローマの影響力があった時代がそろそろ終わりを告げていきます。
違う小さな国々が攻め合いを始めるようになります。
治安が不安定になり、商人たちは 最短距離で物資を運ぶ旧来の東西交易路を利用できなくなりました。
そこで彼らは アラビア半島の海岸線を通る交易ルートを使うようになりました。
アラビア半島は 東西交易の中継地点 となり、多くの人やモノが行きかうことで大いに繁栄したのです。
アラビア半島の中でも、西部に位置する メッカ という都市は特に繁栄しました。
いったいどういう都市だったのでしょうか?
政治については クライシュ族 という大商人の一族が政治を独占していました。
宗教については 多神教が信仰され、人々はそれぞれ自分の好きな神様を信じていました。
こうした背景から、メッカでは 社会矛盾や貧富の差が拡大 しました。
東西交易の中継地点とはいえ、商売では 成功する人もいれば失敗する人もいます。
加えて、人によって信じる神様がバラバラだったため 助け合いの精神も薄かったのです。
そのメッカにムハンマドという商人がいました。
さあ、いよいよムハンマド登場です!
つづく