昨日の続きです。
さぁ、いよいよムハンマドが登場しましたね。
この人がムハンマドです!とご紹介したいところですが、実はそれは無理なのです。
イスラム教は、預言者ムハンマドの姿を具象的に描くことを冒涜(ぼうとく)にあたるとして、厳しく禁止しているからです。
ムハンマドは商人としての才覚もあり、20代半ばで結婚してから40代まで商人として成功しました。
ところが、40歳になったあたりから洞窟で瞑想を始めるようになりました。
それを習慣にしていたある日、瞑想中に暗闇の中で体が動かず後からのすごい力で金縛りのようになってしまいました。
闇の中に声が聞こえ「唱えなさい」と繰り返すのです。
その声は「神からの言葉を唱えなさい」と繰り返すのです。
「あなたは誰ですか?」とムハンマドが尋ねると・・・・
「私は大天使ガブリエルである」と名乗ったのです!
またまた登場しました!大天使ガブリエル!
さぁ、またここで俗っぽい表現をすると、イスラム教は、ユダヤ教3.0バージョンだとも言えるのです。
この洞窟での不思議な体験をモハンマドは妻に語ります。
妻は、あなたが「預言者」として神に認められた存在ではないかと言うのです。
ここで言う「預言者」とは「予言者」ではありません。
今までも説明してきた通りあくまでも神の言葉を預かり伝える人を指します。
この点においては、ムハンマドはモーセの次の預言者となっているのです。
ですから、様々なところに神殿があったり、神の像が普通に飾られていました。
皆さんご存知の通り、エジプトなどでもピラミッドの中では、様々な神の壁画が描かれていますね。
ギリシャの神もそうですね。
ギリシャ神話には様々な神様が登場します。
ギリシャ神話にはゼウスやアポロンなど様々な神様が登場します。
このような多神教の宗教観が中心だった中に、新しい考え方として唯一の神を信仰する一神教が出現したのです。
十戒の最初のほうに書かれています。
第1戒「あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。」
第2戒「あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。」
つまり、ユダヤ教から発生した考えが、キリスト教を経て、イスラム教に続いているのです。
平たく言えば、神は1つであり、偶像崇拝はだめということです。
当然のことながら、布教活動を行うムハンマドに対する風当たりも強くなってきました。
迫害をされるようになり、ついに一度メッカを逃れます。
この街を追われるということを「ヒジュラ」と言いますが、このイスラムの物語の大事なポイントになってきます。
つづく