hayatouriの日記

はやとうり の独り言

コロナ禍で医療機関の倒産増加  その2

昨日の続きです。

 

一方、20以上の病床を有する「病院」倒産は2件(前年比60.0%減)で、2年連続で前年を下回っています。

 

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これはコロナ対策の各種補助金が功を奏したようです。
 
「診療所」にも補助金は支給されましたが、もともと事業規模が小さく経営体力もぜい弱だったことから、「病院」と明暗を分けました。
 
原因別 不況型倒産が約6割


原因別の最多は、「販売不振」の13件(前年比225.0%増)で、全体の約6割(構成比59.0%)を占めています。
 
従来から患者の来院数が減少してたところに、コロナ禍が追い打ちをかけた診療所が大部分を占めています。
 
このほか、患者診療を担っていた院長死亡などを含む「その他(偶発的原因)」が3件、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が2件となっています。
 
『不況型倒産』(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は15件で、診療所倒産の約7割(構成比68.1%)を占めました。 
 
形態別 破産が約9割


形態別では、「破産」が19件(前年比90.0%増、前年10件)で最も多く、構成比は86.3%で、全体の約9割を占めました。
 
一方、再建型の「民事再生法」は2件(前年1件)しかありません。
 
長引くコロナ禍で業績悪化に歯止めがかからなかったり、設備投資が重荷になった診療所が先行きの見通しが立たず、事業継続を断念し破産を選択しているケースが多いのです。
 
負債額別 1億円未満が過半数を占める


負債額別は、1億円未満が12件(前年比100.0%増、前年6件)で、倒産に占める構成比は54.5%で過半数を占めました。
 
内訳は、「1千万円以上5千万円未満」が8件(同300.0%増、同2件)
 
「5千万円以上1億円未満」が前年同数の4件でした。
 
このほか、「1億円以上5億円未満」が9件(同350.0%増、同2件)で、全体の4割(構成比40.9%)を占めました。
 
また、10億円以上の大型倒産は1件で、前年(2件)より1件減少しています。
 
従業員数別 5人未満が半数


従業員数別では、5人未満が11件(前年比57.1%増、前年7件)で、全体の半数(構成比50.0%)を占めましたが、構成比は前年(63.6%)より13.6ポイント低下しています。
 
次いで、10人以上20人未満が5件(前年比400.0%増、前年1件)
 
5人以上10人未満が3件(前年ゼロ)
 
50人以上200人未満が2件(前年1件)発生しました。
 
地区別 東京、大阪など都市部に偏る傾向


 地区別では、関東14件(前年比180.0%増、前年5件)が6割(構成比63.6%)を占めた。そのうち、東京都7件(前年3件)が半数を占めています。
 
次いで、大阪府3件を含む近畿5件が続き、都市部への偏りが明らかとなっています。
 
このようにコロナの影響は病院や診療所にも及んでいますが、これらの統計はあくまでも倒産を中心としたデータでしかありません。
 
倒産ではなく「閉院」という選択をした病院や診療所も多くあると予想されます。
 
コロナ禍での損害は飲食店などが注目されがちですが、この「災害」は広く日本経済全体を蝕んでいると言っても過言ではありません。