メンタリストのDaiGo氏
本年8月7日に公開されたYouTubeの動画の中で、
「僕は生活保護の人たちに、なんだろう、お金を払うために税金を納めてるんじゃないからね。
生活保護の人に食わせる金があるんだったら猫を救ってほしいと僕は思うんで。
生活保護の人が生きてても僕は別に得しないけどさ、猫は生きてれば得なんで」
「自分にとって必要のない命は、僕にとって軽いんで。だからホームレスの命はどうでもいい。」
さらに、DaiGo氏は、「どちらかというといない方がよくない、ホームレスって?」「いない方がよくない?」と繰り返し視聴者に問いかけ、「正直。邪魔だしさ、プラスになんないしさ、臭いしさ、ねぇ。治安悪くなるしさ、いない方がいいじゃん」
「もともと人間はね、自分たちの群れにそぐわない、社会にそぐわない、群れ全体の利益にそぐわない人間を処刑して生きてきてるんですよ。犯罪者を殺すのだって同じですよ。犯罪者が社会の中にいるのは問題だしみんなに害があるでしょ、だから殺すんですよ。同じですよ」と話しました。
実に恐ろしい話です。
この世の中、努力すれば全て成功するわけではありません。
頑張れば結果が出るというわけでもありません。
病気や事故でいつ働けなくなるかもわかりません。
働くどころか生きていくのがやっとになってしまう可能性もあります。
どうしてこのような偏見と悪意に満ちた発言が行われるのでしょうか?
他者に対する共感と想像力が欠けています。
対象が弱者や外国人などに向けてどんどん拡大する可能性があります。
DaiGo氏は一応謝罪のYouTubeをアップしました。
「ホームレスの人とか生活保護を受けている人は働きたくても働けない人がいて、今は働けないけど、これから頑張って働くために、一生懸命、社会復帰を目指して生活保護受けながら頑張っている人、支援する人がいる。僕が猫を保護しているのとまったく同じ感覚で、助けたいと思っている人、そこから抜け出したいと思っている人に対して、さすがにあの言い方はちょっとよくなかった。差別的であるし、ちょっとこれは反省だなということで、今日はそれを謝罪させていただきます。大変申し訳ございませんでした」
しかしこのようなものです。
本当に心から謝罪をしているようには感じられません。
このような考えが広まることで社会に悪い影響を生み出すことが危惧されます。
既に多くの団体も抗議の声を上げ、厚生労働省も、8月13日、「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください」と生活保護の利用を呼び掛けるツイートをしました。
この件に関しては厚生労働省も黙ってはいませんでした。
生活保護制度は社会にとって必要なものなのです。
本当に社会の構成員全員が温かい心で他者を思いやれるようになればいいなと思います。