ここまでは三十三間堂の歴史とその構造、通し矢の歴史、通し矢の方法と所作などを見てきました。
私も調べていて初めて知ることが多く、ずいぶん楽しくブログを書いています。
ここでうっかり飛ばしてしまうところでしたが、今回は「弓」について考えてみたいと思います。
私の娘も高校時代弓道部でした。
本人は弓道の歴史などよくわかっていたでしょうが、私はクラブ活動や弓道そのものにについてあまり詳しく聞くことがありませんでした。
私と同じように弓道に縁のない方も多いと思いますのですごく初歩的な弓についてご紹介したいと思います。
今回は「和弓」の構造についてです。
この段階で「弓」についてご紹介するのは実はこれから先のお話に続くところがあるからです。
まずはこちらです。
私たちが日頃よく見かける日本の弓です。
それぞれの場所に名称があります。
弓を射るときにはこのような体勢となります。
弦を張っていない状態はこんな形をしています。
皆さんは↑の状態で上端と下端を弦で結んでいると思っていませんか?
それは大きな間違いです。
この状態で弦を結んでも弓の張力は弱いものです。
弦を結ぶ時は、この方向を一旦逆にするのです。
この図でいえば、このまま上端と下端をグッと下に下げ真逆の形状をつくります。
そうしておいて弓が元の形状に戻るのを防ぎながら弦を張るのです。
こうすることでより一層弓の力を強くすることができるのです。
この「弦を張る」こと自体が一般の人にはなかなかできないことなのです。
話が少し飛びますが、男子フィギアスケートで有名な羽生結弦さん。
この「結弦」というお名前ですが、当然ながら深い意味があります。
「弓の弦を結ぶように凛とした生き方をして欲しい」
と、羽生選手のお父さんが名付けられたようです。
ひょっとしたら羽生選手のお父さんは弓道と関係があったのかもしれませんね。
いろんなスポーツにも競技にも「道具」がありますね。
例えば野球のバット。
プロ野球などでは、規則の中で選手それぞれが自分に合わせたバットを持っています。
卓球のラケット等もそうです。
選手が自分の体力やプレイスタイルに合わせたラケットやラバーを使用しています。
弓道でもそうです。
選手の体格も体力も当然のことながら違います。
弓の強さはひとつではなく、いくつものパターンがありますから選手は自分に合った弓を使います。
今回は「弓」の簡単な紹介をしましたが、次回はまた三十三間堂の話に戻りたいと思います。
つづく