昨日の続きになります。
ご紹介した落語に出てくるお殿様の12万石。
いえいえ12万石と言えばなかなかのお家となります。
全国大名ランキングベスト30位には入ります。
石高なんて言われてもあまりイメージがないと思われますが、単位は米の量です。
石、斗、升、合が単位ですが今でも使われるものがありますね。
今の炊飯器のスペックにも3合などと書かれています。
どういう風に計るかというと枡、今なら計量カップでしょう。
お米180ミリリットルが1合、10合で1升。
10升が1斗、10斗が1石といふうになっています。
つまり一石は1000合ということになります。
米1000合といえば当時成年男子が一年間に食べる量といわれていました。
江戸時代300諸侯と呼ばれた大名ですが、実際のところは1割ほど少なく270家ほどだ言われています。
その3分の1 は1万石クラスの大名になります。
なので、加賀金沢百万石の前田家なんていうのは別格中の別格だといえます。
大名の中の大名、そう!「キングオブ大名」ということになります。
前進座の「一万石の恋」のお殿様は一万石ちょっきりのお殿様の設定です。
これが大名の最低ラインです。
それより下がってしまうと旗本になるのですね。
1万石の大名の国では、年に1万石の米が取れるというのが建前になっています。
年貢が4割だとすると1石につき4斗。
(明治時代の末に、1 俵を 4 斗と定義して、1 俵が約 60kg ということになりました。現在では、1 俵はちょうど 60kg と定義されています。)
俵1俵分が殿様のもの、つまり1万石ならば1万俵が国の収入と言うことになります。
いざと言うときには200人の兵隊を動員できるというのが1万石のお殿様の資格であり、幕府に対する義務でもありました。
一方、石高というのは米の取れ高だけを表すものではありませんでした。
他にも重要な意味を持っていました。
当時、戦になればそのプロフェッショナルとして武士は無論戦場に赴きます。
問題は歩兵、いわゆる足軽です。
実は足軽たちの大多数は戦場に駆り出される農民たちであったのです。
米の取れ高が多い→お米を作る農民が多い→歩兵、足軽の人数が多い!
つまり兵士の数が多い!
これすなわち戦に強い藩である!
とまぁこのような論法が成り立つわけであります。
つづく