hayatouriの日記

はやとうり の独り言

業界用語(隠語)について  その7

 

昨日の続きです。

 

デパートの隠語についてでしたね。

 

トイレ関係が続いて恐縮です。

 

関東の私鉄系百貨店では『すけんや』とか『つきあたり』と呼んでいるそうです。

 

「すけんや」って何が語源なんだか今でも分からないそうです。

 

どうやら西武系百貨店で使われているようです。

 

ほかには、お昼の食事を「のじ」「サンサン」「じんきゅう」「けし」など、系列ごとに見事にバラバラです。

 

 

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ザックとこんな感じになるそうです。

 

「金印(きんじるし)の川中さんが来ました。補充をお願いします。」

 

なんて言う表現が困るんですよね。


販売業につきまとうリスクのひとつに、万引きがあります。

 

店員は、犯行現場を現認しても、店内では絶対に声をかけてはいけません。

 

百貨店は売り場ごとの対面販売だから、商品をもったまま売り場を離れることがすでに怪しいのですが、「ほかにも見ておきたい商品があるから、ちょっと離れただけ」とトボケられたりします。

 

逆に「人前で恥をかかされた」と開き直られたりしたら、最悪の場合は人権侵害で店側の落ち度になりかねません。

 

そういうときは「あの人、金印かも」とか「川中さんがお見えです」と連絡しあい、警備員にも通報するのです。

 

ある百貨店では、警備員に店内巡回を強化してほしいときは、店内放送で「補充をお願いします」と依頼するそうです。

 

そうして監視をつづけ、商品をもったまま店を出たところで「もしもしお客様、精算をお忘れになっている商品はございませんか」と声をかける段取りとなります。

 

では、万引きがなんで「川中さん」なのでしょうか?

 

買わなかった客”が訛って『かわなか』った⇒『かわなかさん』に変化したと言われています。

 

別の百貨店では「赤井様、2階にお越しください」という館内放送が流れたとします。

 

これは2階で万引きを現認したことを意味します。

 

また、犯行には及んでいないけれど、挙動が不審だったり見るからに怪しい態度をとっていたりしたら「桃井様が2階でお待ちです」となります。

 

「桃」だから「赤」になる一歩手前という意味らしいのです。

 

万引きと双璧をなす迷惑客といえば、苦情の多い客、いわゆるクレーマーです。

 

納得して買ったはずの商品になにかと苦情を申し立てて、あわよくば金品をせしめようとする客は困ったもんです。

 

理不尽な苦情がつづく客は、当然店側でチェックしています。

 

江戸時代に呉服商として創業した老舗百貨店では、そのような客の姿を見つけると「こないだのウロ前さん、来てます」とか「丸苦(まるく、マルキューと訛ることも)さん、来てます」情報が回っていくそうです。

 

余談ながら、用語や隠語ではないけれど「サインミュージック」というものがあります。

 

例えば雨が降り出したときに傘袋や傘立てを準備するために、店内のスタッフに知らせる音楽で、雨にちなんだ曲がよく選ばれるようです。

 

例えば、店内のBGMが急に「雨にぬれても」や「悲しき雨音」に変わったら、外では雨が降り出したという伝達放送です。

 

逆に、雨がやんだことを知らせる音楽は、とくにないらしいんです。

 

皆様もそれぞれの業界で働いておられますから、思い出せば「あ、そうそう!これも隠語だわ」なんていう言葉も使っておられるでしょう。

 

当然、私の働いている業界にも、そんな言葉は存在します。

 

しかし、何といっても「隠語」を使う最大組織は警察ではないでしょうか?

 

次回はそこに切り込んでみたいと思います!

 

つづく