昨日の続きです。
「孤立死」をどう防ぐのかいろいろ対策がとられています。
『死に方がわからない』の本の中にも紹介されています。
「NPO法人エンリッチ」が提供するLINEでの見守りサービスがその1つです。
内容はスタンプでの安否確認です。
毎朝LINEで送られてくる安否確認のメッセージにオーケーボタンを押して応答するだけです。
しかも、基本的にサービスは無料で提供されています。
このサービスの最大の目的は「孤立死」→ 死後長期間発見されない事態を防ぐことを主眼としています。
簡単に言えば「死後、腐った状態で見つかる」ことを防ぐことを最大の目的としているのです。
こういう取り組み始めたきっかけは、代表理事の紺野功さんが、弟さんを孤立死で亡くされたことがきっかけです。
弟さんは51歳でITエンジニアだったそうですが、自宅作業の自営業者で独身独居だったそうです。
ご遺体が発見されたのは、死後1週間ほど経ってからで、発見したのは、取引先の担当者で電話が繋がらないことを心配して自宅まで訪ねてくれたのだといいます。
初めて弟さんの部屋を訪れた紺野さんは非常に驚いたそうです。
掃除した形跡のない乱雑な部屋に、数十台もの、パソコンやモニターが埃をかぶって放置されていました、
床には何千冊ものパソコン雑誌が山積みとなっています。寝るスペース以外足の踏み場もありませんでした。
紺野さんは話します。
「見守りサービスのようなものに登録しておけば、孤立死はかなり防げることでしょう。
しかし、現行のサービスのほとんどは高齢者が対象です。
けれども、現役世代にも弟のような状況に陥る人は少なくないはずです。」
「早めに発見されれば助かる命もあるだろうし、もし残念ながら亡くなったとしても長時間放置されるような事は防げるはずです。
弟のような末路を辿る人が1人でも減るように何かしたかったんです」
そして、立ち上げられたのが、NPO法人エンリッチの安否確認サービスです。
確かに、私も仕事柄、高齢者の在宅訪問等をする中で、警備会社等の緊急通報システムを導入しているお宅もありました。
実際にその通報システムを利用すると、警備会社からすぐに警備員が駆けつけてくれます。
日中、ほぼ1人で寝たきりの女性高齢者が実際何度か利用して助けてもらっていました。
しかし、それはほぼ高齢者に限定されたものであり、世間でもそのように理解をしていると思われます。
エンリッチの「見守りサービス」はその抜け落ちた部分に光を当てるものとなっているのです。
次回はその具体的なサービス内容を見ていきたいと思います。
つづく