昨日の続きです。
ここまで述べてきたように、私たちの生活に関わる様々なものが値上げされました。
例えば、控除を縮小すると増税になります。
サラリーマンの経費相当額を概算控除する目的で設けられているものに、給与所得控除があります。
1988年当時は、給与収入に応じて無制限に増えていました。
しかし2013年分から給与収入1500万円を超える場合の給与所得控除に245万円の上限が設けられました。
また、2017年分からは、給与所得控除の上限が、給与収入1000万円を超えると220万円となり、さらに2020年分からは、給与所得控除の金額が、給与収入の金額にかかわらず、一律10万円引き下げられるとともに、給与収入850万円を超える場合の上限が195万円とされてしまいました。
このようにして表に見えない増税が行われ続けたのです。
その上、配偶者控除は2018年から、夫婦どちらかの年収が1120万円超えると減額になりました。
1120万円を超えるとゼロになってしまうのです。
専業主婦の配偶者控除を倍増させていた。配偶者特別控除は2004年に廃止されました。
そして高齢者に適用されていた50万円の老年者控除は2006年に廃止されました。
さらに、人によってはとてつもない増税になったのが、2015年の相続税贈与税です。
それまで、相続税には5000万円プラス相続人一人当たり1000万円の基礎控除がありました。
例えば、配偶者と子供2人で相続をする場合、8000万円までは相続税がかからないし、申告の必要もありませんでした。
大方の庶民には、相続税は縁のない税金だったのです。
それが3000万円プラス相続人一人当たり600万円に減額されたため、配偶者と子供2人で相続をする場合の基礎控除は4800万円に減額されたのです。
つまり、単純に計算すれば、基礎控除の額が4割減となったわけです。
そんなわけで、大都市に不動産を持つ被相続人の場合、相続税の対象となる人が激増したのです。
医療の負担も、サラリーマンの窓口負担が2割から3割に増額され、後期高齢者医療保険も払わなければいけないようになりました。
また、2022年10月からは中所得の後期高齢者の窓口負担が倍増されました。
単身者の場合、年収200万円以上383万円未満の医療費窓口負担はそれまで1割負担だったのがそれを2割にしてしまいました。
つづく