昨日の続きです。
今まで見ただけでも、相当な問題を抱えた夢洲です。
そもそも夢洲はどういうところだったのでしょうか?
夢洲の埋め立ての目的は・・・
ここで「埋め立て」と聞いて、関西国際空港を思い出す方もおられると思います。
関西国際空港も、地盤沈下してジャッキアップなどしているのが現実ですが、ここの埋立はそれでも山の土を運び込んで作ったものです。
もう一度確認しますが、夢洲は土砂を運び込んで作った人口島では無いのです!
基本、人間にとって有害な物質を処分するための産物だったのです。
「良好な都市環境の保全や公害防止、大阪港の機能強化を目的とした処分場として整備され、大阪市内から発生する一般・産業廃棄物や道路工事等の建設工事に伴う掘削残土、大阪港の機能を維持、増進する上で必要な浚渫(しゅんせつ)土砂で埋め立てを行っている」
とされています。
これが2区と3区の役割です。
もともと大阪湾には、多くの川が流れ込んでいますので、浚渫しなければ、大阪湾が浅くなり、船の運行に支障をきたします。
つまり未来永劫にわたって、大阪湾の底を浚う(さらう)土砂を捨てる場所になっているわけです。
2区はまだまだ余裕があります。
1区はゴミの焼却灰を埋めるところですから、将来にわたって必ず必要な場所となります。
それをつぶしてしまうというのが万博とカジノの計画になります。
当然ここで問題が起こります。
「行き場のなくなった焼却灰やゴミはどうなるのか」ということです。
実はそれも計画されているのです。
大阪南港(ここはフェリーのターミナルがあったりしますので、皆さんもご存知かと思います)と呼ばれる咲洲(さきしま)の沖に「新島」と呼ばれるところがあります。
これは近畿圏の自治体が共同で管理している廃棄物の投機場所です。
夢洲は大阪市の管理ですから、ここに償却灰を投棄するのは当然無料です。
ところが「新島」へ投棄するようになれば、当然有料化となります。
莫大な費用となりますから、大阪市民にとっては、将来ゴミは有料化となってしまう可能性もあります。
もちろん、大阪湾でいくつもゴミの投棄島を作ることは、海の交通の安全上できるはずがありません。
現在考えられているのは、神戸沖の1カ所と、この「新島」だけになっています。
ですから、将来的にもこの2つの新しい投棄場所を大事に使い続ける必要があります。
それだけに、今、重要な役割を果たしている夢洲を万博とカジノによって終わらせてしまうということは、大阪府民や大阪湾全体にとって、大きな問題であると言わざるを得ません。
将来世代に対して、まさに負の遺産を背負わせる事態となっているのです。
つづく