令和4年3月作成「生徒指導提要」(改訂試案)にはこのように書かれています。
(3)校則の見直し
校則を制定してから一定の期間が経過し、学校や地域の状況、社会の変化を踏まえて、校則の意義を適切に説明できないようなものについては、改めて学校の教育目的に照らして適切な内容か、現状に合う内容に変更する必要がないか、また、本当に必要なものか、絶えず見直しを行う必要があります。
さらに、校則により、教育的意義に照らしても不要に行動が制限されるなど、影響を受けている児童生徒がいないか、いる場合にはどのような点に配慮が必要であるか、検証・見直しを図ることも考えられます。
校則については、最終的には学校長により適切に判断される事柄ですが、その内容によっては、児童生徒の学校生活に大きな影響を及ぼすことがあることから、その在り方については、児童生徒や保護者等の学校関係者からの意見を聴取した上で定めていくことが望ましいと考えられます。
また、その見直しにあたっては、毎年度の生徒会や保護者会といった機会において、校則について確認したり議論したりする機会を設けるなど、絶えず積極的に見直しを行っていくことが必要です。
そのためには、校則を策定したり、見直したりする必要がある場合に、どのような手続きを踏むべきか、その過程についても示しておくことが望ましいと考えられます。
なお、校則の見直しに関して、たとえば、以下のような取り組みにより、校則に向き合う機会を設けていく学校や教育委員会があります。
【学校における取り組み例】
・各学級で校則や学校生活上の規則で変更してほしいこと、見直してほしいことを議論。
・生徒会やPTA会議、学校評議員会において、現行の校則について、時代の要請や社会常識の変化等を踏まえ、見直しが必要な事項について意見を聴取。
・児童生徒や保護者との共通理解を図るため、校則をホームページに掲載するとともに、入学予定者や希望者等を対象とした説明会において、校則の内容について説明。
【教育委員会における取り組み例】
・校則の内容、見直し状況について実態調査を実施。
・学校等の実態に即した運用や指導ができているか等の観点から、必要に応じて校則を見直すよう依頼。
・校則を学校のホームページへ掲載するとともに、校則について生徒が考える機会を設けられるよう改定手続きを明文化するなど、児童生徒・保護者に周知するよう依頼。
児童生徒の関与
さらに、新たに、「児童生徒の関与」という項目が加えられ、その意義が記載されました。
令和4年3月作成「生徒指導提要」(改訂試案)
(4)児童生徒の関与
校則の見直しの過程に児童生徒自身が関与することは、校則の意義を理解し、自ら校則を守ろうとする意識の醸成につながります。
また、校則を見直す際に児童生徒が主体的に参加することは、学校のルールを無批判的に受け入れるのではなく、自身がその根拠や影響を考え、身近な課題を自ら解決するといった教育的意義を有するものとなります。
以上のように今回の「生徒指導提要」(改訂試案)では、子供たちの権利を守るために大幅な改定が行われています。
子供たちに縛りをかける校則ではなく、子供たちの権利を十分保障しなければならない原則がまとめられました。
保護者や学生・生徒たちも校則ついてどんどん意見をあげるべき時期に来ています。