昨日の続きです。
これまでおもに保健所が担った入院調整は、段階的に医療機関同士に任せられるようになります。
5類移行により、コロナ患者を診た医療機関への診療報酬の特例加算、専用病床を確保した医療機関への「病床確保料」は大幅に縮小されます。
あわせて、医師にはコロナ感染やその疑いのみを理由に診療を拒めない「応召義務」があることを周知し、外来の対応を強化しようとしています。
患者負担の補助や病床確保料は9月末までの期限付きとなりました。
10月以降は、感染状況などをみて延長や縮小を判断します。
新型コロナ感染症の5類移行後も、感染者が安心できる医療体制は維持されるのでしょうか?
引きつづき医療機関側は感染対策などの負担がある一方、財政支援は減らされ、既に現場からは対応に戸惑う声も上がっています。
「5月以降、発熱患者を診るか決めかねている」と東京都のある内科の診療所院長はそう話しています。
新型コロナ下で、発熱患者は基本診てこなかった経過がありました。
ここの医院の患者の大半は高血圧などの持病がある60代以上です。
脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞を患う高齢者の訪問診療もしています。
発熱患者を基本的に診てこなかったのは、「ほかの患者にコロナを感染させてしまうのではないかと不安だった」という理由なのです
しかし、5類移行後は、医師法に定められた「応召義務」が発生します。
コロナ感染やその疑いのみを理由とした診療拒否はできなくなります。
違反すれば医師免許の取り消しや停止があり得ます。
「発熱患者を診なくては」という思いはあるが、「高齢のかかりつけ患者に感染が広がらないか、守れるのか」といまだにこの医師は悩んでいます。
政府は幅広い医療機関でコロナ患者を受け入れるよう、段階的な移行を目指すと方針を出しています。
ただ、発熱外来は今年1月時点で約4・2万あり、厚生労働省の資料によると内科、小児科、耳鼻科を掲げる医療機関の約55%(全国平均)に達しています。
決して低い数字でもありません。
協力できる医療機関はすでに外来対応を行っているという見方もできるのです。
果たして政府の描くようにコロナ対応は順調に進んでいくのでしょうか?
つづく