昨日の続きです。
現在、外来で重症化リスクのある人に本人の同意を得て処方される重症化予防の薬の1つ(商品名、ラゲブリオ) 。
薬価は200mg1カプセル2357.80円です。
通常、モルヌピラビルとして1回800mgを1日2回、5日間の経口投与で用いるため、1日薬価は1万8862.40(2357.80円×8錠)となります。
(薬そのものの評価は、今回のブログ趣旨から外れますのでしておりません。)
5日投与であれば約94,000円になります!
今公費で無料ですが、自己負担になると3割負担で約30,000円にもなってしまいます。
おそらく多くの患者さんは処方を断らざるをえなくなるでしょう。
必要な人に薬を出せず、帰宅後重症化する患者さんが増えるという本末転倒の事態にもなりかねません。
また、重症化予防の薬には発症から3日以内、5日以内に服用するという条件があります。
発熱外来が予約でいっぱいで受診が遅れれば、服用できなくなるなどの現状が残されてしまいます。
季節性インフルエンザも確かに油断のできない感染症ですが、「タミフル」などの薬がどの医療機関でも手に入るという「安心感」があるのも事実です。
国はとにかく多くの人に薬が届く仕組み作りを、急ぐ必要があります。
政府は5類への移行について、3月上旬に方針を出すとして、具体的な話を全くしていません。
3ヶ月で準備をすると言いますが、国民が安心できる状況を作れるのか大変厳しい状況だと言わざるを得ません。
掛け声ばかりが先行し実態が伴っていないのが現実です。
(どうも岸田内閣はこの手の、いわば「場当たり的」な判断する事が多いような気がするのは私だけでしょうか?)
5類になってもこの感染症自体が普通の風邪に変わってしまうわけではありません。
現在も後遺症含め苦しんでいる人、亡くなる方も多い状態です。
私たち一人一人が厳しい状況に置かれている人たちのことを理解し、今後ともさらに自らの行動に責任を持つことがいっそう大切になると思います。