hayatouriの日記

はやとうり の独り言

海洋放出が始まった「処理水」 その1

 

昨日、海洋放出が始まった「処理水」の第一回目の放出が完了したとの報道がありました。

 

1回目が7800トン、次の2回目も7800トンだと言われています。

 

私は、正直この水は「処理水」と呼ばれている「汚染水」であると思っています。

 

もう一度福島県東京電力原発事故から現場を見てみますと、まだまだ溶け落ちた核燃料のデブリの回収は何年先になるかも分かりません。

 

崩れ落ちた原子炉のデブリには指一本触れられない状態が続いています。

 

このデブリが取り出せない限りは、汚染水は出続けます。

 

政府は30年先までの「処理水」の海洋放出を考えていますが、そんな期限を区切ってしまって良いのでしょうか。

 

デブリの取り出しには100年以上はかかるだろうという意見もあります。

 

事故から12年現在に至るまで、880トン近くある燃料の中の、ほんの耳かきの先程度の燃料しか採取したことがないのです。

 

では現在貯蔵中の「汚染水」はどれほどの量になっているでしょうか?

 

2023年4月時点で約13億3000万リットルとなっています。

 

4月からでも毎日13万リットルの汚染水が増えています。

 

年に換算すれば、4745万リットルが追加されていくことになるのです。

 

この中身を調べてみますと、ある程度汚染を浄化すると言われているALPSを通過したものは 4億2110万リットルで、処理されていない汚染水が8億6520万リットルもあるのです。

 

この通り全体量から見ると、半分以上はほとんど手付かずの状態で放置されています。

 

核物質の分析についても、全体の貯蔵タンクの3%程度の分析しかできていません。

 

中には、チェルノブイリのような「石棺」で原発全体を覆い尽くし、地下水との接触を阻止しなければならないというような意見もあります。

 

しかし事故から12年、これといった処方箋も打ち出せないまま現在に至っているというのが現状です。

 

そこで出てきたのが「海洋放出」と呼ばれる汚染水の「海洋投棄」だったのです。

 

コストを考えても1番簡単で手軽です。

 

その水の中に放射性物質はどれぐらい含まれているでしょうか?

 

政府や東京電力の報告の中にはなぜか「トリチウム」の名前しか出て来ませんが、ほんとにそれで良いのでしょうか?

 

もともと汚染水の中に入っていると想定される放射性核種は210種類入っていると言われています。

 

「想定されている」という表現は、裏返せば実測がされていないということです。

 

簡単に言えば「実測ができないから、大体210位あるだろう」という感じです。

 

そのうちALPS(多核種除去設備)で減らせる放射性物質は62核種しかありません。

 

つまり、100以上の核種が存在するわけですが、「それらは放射線の力自体が弱いから無い考えても良い」という扱いになっているのです。

 

つづく