昨日の続きです。
21年12月校内研修会が行われました。
前年とは打って変わって、一定の手応えや前向きな課題を話す教員の姿が目立ちました。
2年の教員は、子どものテストをファイルにして、保護者に励ましのコメントを書いてもらう取り組みがうまくいっていると報告しました。
5年の教員は、テストの点数を記すのをやめたと語りました。
Y教諭は、通知表に評価を付ける際の「根拠」が必要なくなったからできたことだと説明します。
そしてY教諭自身も点数付けをやめました。
Y教諭は話します。
「テストの目的は、理解していない問題を把握して次の学習につなげること。入試なら話は別だが、普段のテストで『この問題は5点の配点』『あの問題は10点』ということに何の意味もない」
私も個人的には全く同感です!(^O^)/
通知表の廃止は、教員の時間的な余裕も生み出しました。
通知表を付けていた時は、評価の「根拠」をまとめたり、何度もチェックを繰り返したりして、何十時間もかけていました。
その時間がなくなった分、子どもたちの様子をよりきめ細かく見られるようになったのです。
保護者との面談も充実させ、普段の子どもの姿を直接伝えるように心がけています。
通知表廃止から3回目の春。
「他人と比べる」という価値観から距離を取り、評価とは何かを学校全体で深く考えました。
評価はどうあるべきかを突き詰めた2年間を経て、香川小は確かに変わり始めたといいます。
国分校長は語ります。
「小学校だからできたことだ、という自覚はあります。」
「例えば公立中学校での通知表廃止は極めて難しのです。高校入試は、中学校の成績が内申点として合否に影響するためです。」
「社会に出ても、競争や他人の評価と無縁で生きるのが容易でないことは重々承知しています。」
「小学生だって、中学受験に踏み出せば塾などでシビアな競争にさらされるのが現実です。」
「しかし優劣を比べるのが当たり前といった今の社会を覆う価値観。それに染まりきる前に、それが全てではないと肌感覚で知っておくことは、決して無駄ではないと信じています。」
「小学校くらいは『できる』『できない』で比べなくてもいい。この挑戦が他校にも広がることを願っています。」
4回にわたって少し長くなりましたが香川小学校の取り組みをご紹介しました。
以前にもブログで取り上げましたが、校則を始め学校の当たり前や常識を打破しようとする取り組みが様々行われるようになっています。
子供たちを中心に、教育や学校のあり方を見直すべき時代に突入していると言っても過言ではないでしょう。