前回の続きです。
体育座りの体への悪影響を少し調べてみました。
腰痛を引き起こしていることは、研究で明らかになっています。
大分以前となりますが国際医学技術専門学校(名古屋市)の理学療法士・増田一太さん(42)の2014年調査結果です。
主に関西地方の小学5年~高校3年の男女939人の12・7%に腰痛がありました。
座った時に痛みを訴えるケースが66・4%で、そのうち体育座り時に痛みを感じたのが52・3%だったそうです。
増田さんは「教育の場で話を聞くことより、姿勢を維持することに焦点が置かれすぎている」と問題視ししています。
子供達が体育座りをして「もぞもぞ動くのは、痛みを回避しようとしているため」と解説しています。
実に論理的に筋が通っていると思います。
山口県下関市の市立豊北中学校(生徒数113人)は集会での体育座りを改めました。
着任した矢田部敏夫校長(56)が、集会時に体育座りをする生徒がつらそうにしているのを見たのがきっかけでした。
教員やPTAと相談し、パイプ椅子を導入。
集会時は生徒が自分の椅子を出し、終わればしまうのです。
準備に5分ほどかかるが、会が1時間を超えても落ち着いて参加できるようになっていました。
床に傷が付くのを防ぐため、椅子の足に専用ゴムを装着する導入費に十数万円かかりました。
矢田部校長は「当たり前とされてきた体育座りは生徒に苦痛を強いていた。考え方の転換が必要だった」と訴えています。
同様の理由で群馬県高崎市の中学生から「体育座りを廃止して」と市に意見が届いた例があります。
声には出しませんが体育座りが辛いと感じる生徒や学生が多いこと確かなようです。
大東文化大文学部の一盛真教授(58)=専門・教育学、鳥取市在住=は「体育座りは、際だって『日本的』な指導で子どもの人権を保障しているとはいえない」と強調します。
新型コロナウイルス禍の「黙食」やマスクなど多くの窮屈なルールを強いられることが増えた子どもたち。
座り方ぐらい自由であっても良いのではないでしょうか。
心身によくないことが明らかなのであれば、見直さない理由はないと思います。