昨日の続きです。
今回は、ウクライナとロシアという大国同士がドローンを駆使した戦い方をしています。
史上初の『ドローン戦争』と呼ばれています。
では、どうしてそれほどドローンが必要なのでしょうか?
戦場で兵士や戦車は、迷彩色の布や植物で覆うなどして姿を隠しています。
肉眼では、背景に紛れ込んで探す事は難しいのです。
しかし、今のドローンは凄いのです。
カメラとセンサー、人工知能(AI)によって、兵士の水分含有量や体温を検知してしまいます。
夜間でも兵士を発見することができるため、ドローンから逃れることは非常に困難だと言われています。
先程のTikTokを見ても、ウクライナ側のドローンが真上に来た時、それに気づいたロシア兵がドローンに向かって「攻撃しないでくれ!」のような救いを求める姿も投稿されていました。
そしてドローンを使うことにより、味方の人的被害を防ぐことができます。
また、自分の目の前で、自分の手で人を殺すという罪悪感からも逃れることができます。
小さく、低い高度を飛ぶためにレーダーに映らず、迎撃もされづらい特徴があります。
さらに入手しやすい民間用ドローンを使ったり、プロペラを3Dプリンターで作ることもできるなどの利点もあります。
さらにドローンはこんなこともできるのです。
これは実際にあった話です。
ウクライナ軍は戦場に落ちているロシア軍のトランシーバー(walkie talkie:ウォーキートーキー)を上空のドローンにより発見しました。
ドローンにロープとフックをつけてトランシーバーを拾うことに成功したのです。
トランシーバーは故障したり破壊されたりていませんでした。
ウクライナ軍はロシア軍の会話を9日間も聞くこともできたと報じられています。
ドローンは上空からの監視・偵察と爆弾落下や激突による攻撃だけでなく、このように地上に落ちているモノを拾うこともできるのです。
2022年12月には破壊されて草原に落ちていた中国のDJI製の民生品ドローン「Mavic3」を、別のドローンがロープを垂らしてフックをつけて、釣り上げて回収している動画を公開しています。
地元メディアでは「Leave no drone behind, no one left behind(どの兵士も置き去りにはしないように、どのようなドローンも置き去りにはしません)」と伝えています。
中国の民生品ドローン「Mavic3」は監視・偵察だけでなく、小型の爆弾や手りゅう弾を搭載してロシア軍に投下して攻撃することもできるようです。
徹底的に破壊されたドローンは再利用は不可能となりますが、回収されて部品などを再利用されることも多いようです。
つづく