昨日の続きです。
店内にはドレスやフォーマルスーツが300着ほど展示されています。
キッズサイズも豊富で、バッグやシューズ、アクセサリーもあります。
初回時1000円でメンバー登録すれば、メンバー料金(一泊2日2500円)でレンタルすることができます。
ここからが特徴的です。
ドレスを預けた人には、レンタル料の10%還元されます。
店内には、歯のセルフホワイトニングルームやセミナーなどが開けるレンタルルームもあります。
長濱さんが環境問題に関心を寄せるようになったのは、2013年4月24日。
バングラデシュの首都だったの縫製工場で起きた死者1100人以上を出した倒壊事故がきっかけです。
この時に「流行を取り入れ、早くて、安い衣服を短いサイクルで販売」する日本や欧米のファストファッション業界の姿勢が問題となりました。
女性や子供たちが低賃金、劣悪な労働環境で働かされていた実態が明るみになりました。
この事故は、長濱さんの生き方を大きく変えました。
事故が起きた年に重い心臓病を患う長女が生まれ、手術を繰り返していました。
「量販店で安い服を買うことが良いことだと思っていました。
手術室の前で『娘の命を助けてください』と祈りながら、私が安い服を買うことで、よその国の子供たちを死に追いやっていると思いました。」
矛盾した行動に気付いた長濱さん。
「この服はどこで作られているのか?女性や子供たちがどんな状況で働かされているのか」
を考え、必要以上の服を買わないようになったそうです。
「世界で、大量の衣類が生産され、その6割が廃棄されている。
衣類を生産する過程で、汚染水や温室効果ガスが大量に発生している。」
このことを学んだ長濱さんは、自分に何かできることはないかと起業の道を模索します。
「私も初めて結婚式に呼ばれた時はドレスを買いました。
しかし同じドレスは何度もきれず、東京からレンタルすると12,000円もかかりました。
だったら沖縄でクローゼットに眠っているドレスをシェアする店があれば、女性たちに喜ばれ、SDGsの取り組みにつながると思いました。」
長濱さんは、銀行から融資を受けてお店をオープンさせました。
ところが開業から半年後、コロナ禍が始まります。
結婚式やイベントが次々と中止になり、ドレスのキャンセルが相次ぎ多額のレンタル料の返金が発生しました。
長浜さんは、国の持続化給付金や県の事業者復活支援金等を活用して事業を継続。
店内でワークショップや講座などを開催して、起業する女性たちを支援し、従業員とともに経営危機を乗り越えてきました。
長濱さんは、今年バングラデシュを訪ねます。
「たくさんの子供たちが学校に通えず、児童労働や児童婚、暴力など深刻な問題を抱えていると聞いています。
何が起きているのか、それを自分の目で確かめたい」
とすでに行動を始めています。
次に、もう一つのSDGsの例をご紹介したいと思います。
つづく