昨日の続きです。
国立感染症研究所は、コロナに感染した飼い主が療養している間、ネコやイヌを預かるボランティア事業をしていたペット保険大手の「アニコムホールディングス」と共同で、ペットへの感染がどれだけあったか研究しました。
飼い主家族が感染した場合、ネコも約15%のケースで陽性となり、陰性のネコと分けて預かったといいます。
感染研の前田さんは「他の病気と詳しくは比べられませんが、飼い主が感染するとかなり高い確率でネコもかかることは間違いありません」
と話しています。
困るのは、感染したネコが屋内外を出歩ける状況です。
他の家やネコ同士、野生動物に対してウイルスの「運び屋」になる恐れが十分にあります。
日本獣医師会は2020年から「猫は外に放さず室内で飼育することが適正飼養の観点からも望まれます」と注意を呼びかけています。
タイでは、コロナに感染した親子と一緒に救急車で運ばれたネコがコロナに感染しました。
そのネコを診療中にくしゃみをふきかけられた獣医師もコロナに感染した、との報告もあります。
この親子とネコ、獣医師が感染したウイルスの遺伝情報が一致したといいます。
アドベンチャーワールドのライオンが、コロナウィルスによって死亡した事は前回ご紹介しました。
実はライオンはインドの動物園でも感染して死亡していますし、アメリカやスペインでもライオンやトラが感染しています。
京都市動物園では、絶滅や減少が心配されているアムールトラ、ツシマヤマネコ、ジャガーなどを展示しています。
檻の手前に、来園者が1メートル以上離れるようコーンやバーで柵を設けています。
同園ではトラ舎などの網を二重にし、最短15センチで来園者が見られるのが魅力でしたが、この近さが感染リスクとなってしまいました。
来園者から不満が寄せられることもあるいますが、獣医師でもある「種の保存展示課」、岡橋要さんは・・
「ここまで感染力が高いウイルスが出るとは想定していなかった。
抗体を持っていないであろう動物には、私たち以上に危険なこと。
感染の波が続く中では動物を守るバリケードは解けない」
と話しています。
ただし感染症法上の位置づけが引き下げとなる5月以降の対応は未定だといいます。
ペットとしてのネコも充分注意が必要です。
ネコを飼っておられる皆さんはこれらのことを少し注意していただけたらと思います。