昨日の続きです。
これまでご紹介してきた通り、15年の法改正で相続税の基礎控除が引き下げられました。
「基礎控除の引き下げ」というと聞こえは良いですが、簡単に言ってしまえば「相続税申告の対象者を増やす政策」です。
したがって、課税対象者が倍増しています。
17年のデータでは、相続した人のうち相続税の申告したのは全国で10.7%。
東京は22%に上っています。
(ほぼ5件に1件が相続税の支払いをしていることになります)
昔は相続税を支払うのは、一部の裕福層と言う認識でしたが現在はより広く課税されるようになってきているのです。
相続税の計算方法は、最初に相続財産から基礎控除額を差し引いた「課税相続財産」を算出します。
相続税の計算方法
3,000万円+600万円×相続人数=基礎控除額
遺産総額−基礎控除額=課税相続財産
(プラスの場合、相続税の申告あり、マイナスの場合、相続税の申告なし)
プラスの場合、相続人の相続額ごとに所定の税率をかけて相続税額が決まります。
例えば、5000万円の遺産を残して夫が他界した場合です。
妻と息子2人が相続するケースでは、基礎控除額は4800万円となります。
遺産額から基礎控除を除いた200万円が法定相続分通りに3人で遺産分割されたと仮定した上で計算してみましょう。
法定相続分 妻50% =100万円
子① 25%=50万円
子② 25%=50万円
この段階で、一旦相続税の税額を計算します。
すると
妻=10万
子①=5万円
子②=5万円
になります。
次はド~ンと高額で全てで1億5000万円相続したとします。
基礎控除額は一緒ですから、控除後の相続財産は1億200万円となります。
法定相続分を計算すると、妻は50%ですから5100万円、子2人はそれぞれ2550万円となります。
ここで一旦相続税の計算をします。
すると、妻は830万円、子2人はそれぞれへ332.5万円となります。
しかし、ここでも配偶者は優遇されています。
配偶者は相続財産が1億6000万円以下の場合は、配偶者控除申請すれば相続税がかからないのです。
しかし、ここでも1つ問題があります。
財産を相続した配偶者がなくなる場合です。
これを「相次相続」と言いますが、この場合、2人の子供には配偶者のような優遇がありませんので相当な相続税が課税される可能性があります。
明日はいよいよこのシリーズも最後にしたいと思います。
これまでのブログをまとめた形で終りにしたいと思います。
つづく