昨日の続きです。
前回のブログでは、これからの社会では「孤独死」はほぼ日常の出来事となるのではないか、しかも亡くなってすぐに発見される「孤独死」は許容される範囲ではないかと述べました。
だとすれば避けるべき「孤独死」も当然あります。
死んだ後に誰にも発見されず、何日も経って、遺体の腐敗が進んだ状態で発見されるような「孤独死」です。
これを「孤立死」と『死に方がわからない』の著者である門賀美央子さんは表現しています。
つまり、訪問看護や介護サービスをはじめ社会とのつながりが全く途絶え、「孤立」状態で死を迎えなければいけない環境に陥っているのです。
この環境は社会としても個人としても避けなければいけません。
ここで話はまた元に戻るのですが、「私には、親類縁者も、子も配偶者もいるから大丈夫」と考えてはいけません。
今や誰でも「孤立死」となる可能性があるのです。
ここも少し掘り下げてみたいと思います。
2020年の国勢調査です。
日本の総世帯に占める単身世帯の割合は38%となり、5年前に比べて3.4%増えています。
1980年の19.8%から比べれば、ほぼ倍増しています。
かつて標準世帯と呼ばれた「夫婦と子」世帯は25%しかなく、もはや標準とはいえない状態なってしまっています。
全人口は5年前より減少しているにも関わらず、総世帯数は273万世帯も増えています。
これは世帯人員の減少、つまり単身世帯の増加を示しています。
団塊の世代の死亡数が最高と見込まれる2040年には、単身世帯率はほぼ4割となり、その一方で「夫婦と子」世帯は2割になると見込まれています。
もちろん、単身世帯とは未婚者だけではなく、離婚や配偶者と死別して独身に戻った人たちも含めての話です。
少し前まで、既婚者が未婚者によく言っていた台詞がありました。
「結婚しないと孤独死するぞ」
こんなことを言えば、今では即ハラスメント扱いですが、当時は善意の脅し文句として通用していたと思います。
しかし、結婚したところで孤独死はするのです。
配偶者と同時に死ぬわけではありません。
今では3組に1組は離婚しています。
結婚してもまた独身に戻る可能性は非常に高いのです。
今現在孤独死しているのは大半が高齢者である事は間違いありません。
しかし、日本は彼らが現役世代の頃まで(1990年まで)は皆婚社会でした。
ということは、今孤独死している高齢者たちはほぼ元既婚者であったわけです。
「孤独死」はこのように身近に迫っています。
ならば「孤独死」を「孤立死」にさせない、そうならないために何が必要なのかをさらに考えてみたいと思います。
つづく