hayatouriの日記

はやとうり の独り言

「死に方がわからない」 その14

 

昨日の続きです。

 

退院したその日、叔父はケアマネさんや介護関係者、メディカルソーシャルワーカーさんなどと話をしていました。

 

誰でもそうなるのですが、さすがに91歳にもなると、なかなかの頑固者です。

 

スタッフの皆さんは、良かれと思っていろいろ提案をしてくれますが、しぶしぶ受け入れていくというような感じです。

 

もっとも今まで20年間も1人で、ある意味勝手気ままに暮らしてきたのです。

 

いきなり大勢が自分の家に乗り込んできて、あれこれと自分のことを指図するのは気に入らない話なのかもしれません。

 

それと、自分の病気についてあまりよく理解できていないということもあるかもしれません。

 

むしろ、周りのスタッフの方が叔父の病気について充分理解をしているので具体的な提案が多くなるのかもしれません。

 

話の中で、今度は叔父から提案がありました。

 

電動式4輪シルバーカーに乗りたいと言うのです。

 

時々道で高齢者の方が乗っていますよね。

 

あれです。

 

今までは買い物は自転車で出かけたりしていましたが、さすがに少し危険です。

 

買い物はヘルパーさんが手伝ってくれますが、自分で品物を選びたいとは誰もが思うことです。

 

このシルバーカーがあれば、近所のスーパーまで自分で買い物に行けると考えているようです。

 

今度は、メディカルソーシャルワーカーさんが丁寧に話をしてくれました。

 

まずは叔父の積極的な考えを評価してくれました。

 

一方で、電動4輪シルバーカーは段差があっては非常に危険だという事、自宅内に収納しなければいけないことなど説明してくれました。

 

今の自宅の状態では障害物が多いので、段差等を直しておく必要があります。

 

同時に、スーパーまで行くとすれば、そこまでの安全な道順変を確認し、何回か補助の人と実際に走行する訓練も必要な事も説明してくれました。

 

一般的に高齢の方にありがちですが、このシルバーカーのように、何かの福祉用具や医療用具があれば、すぐに自分は以前のように生活ができると思い込むことがあります。

 

ケアマネージャーさんの頭の中には「この猛暑の夏に長い時間、外に出かけることの怖さ」もよぎったといいます。

 

しかしながら、隣人にも恵まれ、医療や介護スタッフとつながることができた叔父は、まずは「孤立死」の危機を脱することができたのです。

 

次回は「お一人様」におそらくなるであろう私たちが、いざという時に用意しておかなければならない準備について少しご紹介します。

 

つづく