昨日の続きです。
万博が夢洲で行われる時系列を確認していましたね。
2015年4月に大阪府が国際博覧会大阪誘致構想検討会を設置しましたが、夢洲案ではありませんでした。
2015年末に安倍首相、菅官房長官、橋本徹元市長、松井一郎知事が忘年会を行います。
「総理にお酒を注ぎながら一生懸命持論を展開した」
「『菅ちゃん、ちょっとまとめてよ』(安倍氏の)この一言で、大阪万博が動き出した」
と松井一郎氏の著書『政治家の喧嘩力』の中に書かれています。
(『政治家の喧嘩力』という題名も、なんだかその人物の思想を反映しているような気がして、私は嫌な感情を持ちますね)
つまり松井氏は「自分の力で大阪に万博を持ってきた」と相当自慢げに書き記しているわけです。
そして、自分は総理や官房長官と酒を酌み交わす間柄であると、これも自慢しているわけです。
2016年6月30日、府・万博基本構想検討委員会で松井知事が「夢洲」会場を提案します。
はい!夢洲を提案したのは間違いなく松井知事でありました!
2017年4月に2025年大阪万博の立候補と開催申請を閣議了解し、立候補を表明するに至りました。
2018年、11月23日BIE総会(パリ・博覧会国際事務局総会)で25年万博大阪に決定となりました。
ところが、最近になって、維新の会の馬場代表は「国のイベントなので、大阪の責任ではなく国を挙げてやっている」と発言しています。
この期に及んで、国と大阪そして維新の会が責任のなすりつけ合いを始めているのです。
では、なぜ責任のなすりつけあうのでしょうか?
実はこの万博、2025年4月の開幕に間に合わない可能性が非常に高いのです!!
まず、第一に万博の花と言われる海外パビリオンの建設の決定的な遅れがあります。
予定では23年4月着工し、24年7月に完了となっていました。
その後は、内装工事などをして、再来年の3月〜4月に間に合わせると言う計画でした。
ところが工事はベタ遅れになって、日本建設業連合会宮本会長も、もはや間に合わないと繰り返し発言しています。
それを巻き返しに出てきたのが「残業規制外し」ですが、これにも批判が集中しました。
つまり工期を間に合わせるためには、規定通りの働き方をさせていては時間がない、違法な働かせ方をしなければ、万博ができないという本末転倒の話になってきたのです。
労働者の命と安全を守るために、当然労働条件には規制がかかっています。
その規制を取っ払って働かせようと真剣に考えているわけですから、そんなことをさせなければできない工事自体が「失敗」であることの証明になってしまいました。
つづく