hayatouriの日記

はやとうり の独り言

健康保険証廃止は必要か? その5

前回の続きです。


デジタル庁が公表している報告書は、共通番号制度のモデルとして3つの形態を紹介しています。

 

河野太郎デジタル相は、かつて自身の動画チャンネルでの配信でシンガポールの行政のデジタル化の状況を紹介しているのです。

 

河野太郎氏は一つの共通番号をすべての分野で利用できる方式のシンガポールでは、個人のスマホが番号にひも付けられているとしてその利便性を強調しています。

 

日本でも将来、マイナポータルやマイナカードによって「シンガポール並みの行政のデジタル化ができるようになる」と語っているのです。

 

これに対し、自治体情報政策研究所の黒田充代表は「民主的とは言い難いシンガポールをモデルにしてもらっては困る。上から押し付ける改革を進めることがすばらしいと考えているのだろうか」と懐疑的な発言をしています。

 

合わせて黒田氏は

「マイナカードは本来、米国の社会保障番号の紙のように、自分のマイナンバーを証明するためのものだった」

 

「だが、いまは性格が異なるものになっている」とも話しています。

 

また黒田氏は、河野氏が以前テレビ番組でマイナカードの名称変更に言及したことに触れ、こう強調します。

 

マイナンバー制度と、マイナンバーを使った公的個人認証制度と言えるマイナカードの実態がどんどんずれている。なのに説明が足りない。政府もよく分からないまま進めているということであれば、恐ろしいことだ」


これまでご紹介したように、G7諸国には、共通番号そのものへの批判や、国が国民にIDを与え、管理することへの抵抗感から日本のマイナカードのような制度は存在していません。

 

保険証廃止によって事実上、強圧的に義務化を目指す日本は「異常」ともいえます。


名古屋大の稲葉一将教授(行政法学)は「医療DXが、国会での議論なく、推進本部という行政の会議体で進められている」と政府の姿勢を批判しています。

 

※医療DXとは、医療分野(病院・薬局・訪問看護ステーションなどの医療機関)におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)のことを指します。 医療の現場において、デジタル技術を活用することで、医療の効率や質を向上させることを目的としています。

 

「本来、何のためにどのように進めるか、もっと議論が必要のはず。法治主義や国会を軽視した結果、いまになってさまざまな混乱が起きている」

 

このブログの1番最初にご紹介したように、政府は昨年12月22日の閣議で、今の健康保険証を来年、2024年12月2日に廃止することを正式に決めました。

 

このことで、私のような小さな治療院がどのような影響を受けるのかを最後にご紹介したいと思います。

 

つづく