一見便利そうに見えるライドシェア。
しかし、国民の中からは、様々な不安の声も上がっています。
「事故などの責任はどうなるのか」
「ドライバーも利用する人も犯罪に巻き込まれる可能性はあるのではないか」
「運転手が少ないと聞いているので、本当に必要な時にはありがたい」
「辺ぴな駅とか、タクシーが少ない場所には必要」
ライドシェアするドライバーの管理についても様々な責任を果たさなければならないタクシー業界の意見を聞いてみたいと思います。
前出のような地方の交通手段になればと願う声があるなか、「そううまくはいかない」と大阪のタクシー会社は異論を唱えています。
最近は、テレビなどでも露出の多い日本城タクシー 坂本篤紀代表取締役です。
「誰が田舎で(ドライバー)すんねん。普通に考えたら、売れるところに来るやんか。
『大阪府全域でやります』と言ったら、『泉南の方でライドシェアやります』と言っても、人の集まる梅田に来るやん」
ライドシェアの働き手が地方よりも利用者の多い都心に集まってしまい、都心でタクシーがあふれかえるだろうと危惧しています。
また、京都などのオーバーツーリズム対策としても期待はできないと考えます。
「ライドシェアで解決したら車1センチも動けへんようになる。
だって、バスは渋滞で動けへんし。
訪日外国人をタクシーで解決するのは不可能やわ」
一方、別の大手タクシー会社の担当者は、ライドシェア解禁に備え、一般ドライバーの研修を行う体制を整え始めていると話しています。
「当社ではかなり採用に関しても厳しく基準を設けていて、面接2回、運転チェックも2回行っています。
合格率も相当低い状況。
安全の運行責任をタクシー会社が、(負う)ということであれば、タクシーでもライドシェアでも人命を預かる身としては、教育の基準は絶対に崩すことができないです」
また数え上げたらきりがないほど課題が山積しているといいます。
「われわれは、ほぼ運転席と助手席を覆うような形の防犯板、強化プラスチックでできた防犯板の設置や、緊急通報装置を装備しています。そういったところで乗務員の安全を守るためにいろんな施策をしています。
じゃあライドシェアの場合どうするか。
例えばコンパクトカーや軽自動車に乗っている方が郊外から出てきて、スーツケース載りますか?
たぶんタクシーメーターも必要になってくると思うんですよ。
あれも1台何十万もするんですよ。
しかもタクシーと違って流しができないですよね、おそらく今の想定ですと。
働きたいと思う人がどれくらいいるか、まったく見えてこないですよね」
現場からこのようにライドシェアについて困惑するまたは否定的な意見が挙げられています。
果たして本当にうまくいくのでしょうか。
つづく