前回の続きです。
続いて次のポイントです。
⑧インボイスは益税解消のため必要?
テレビでの討論などを聞いても、インボイスは益税解消のために必要だという論者も多くいるようです。
まず益税についてです。
益税解消だという立場の人たちは、100円が物価でその上に10円の消費税が乗っかっているという考えをしています。
つまり、消費者が払った消費税10円を事業者が預かっていると捉えています。
年収1000万円以上の課税事業者は、それを国に納税しないといけません。
ところが、年収1000万円未満の非課税事業者は納税しなくてもいいことになっています。
こうなると、人のお金を預かって税金を納めなくても良いならば「預けた税金で得をする」だろうという考えが「益税」の考えです。
もしそうならば言い方を変えれば、これは横領になりますね。
そもそも、免税事業者があるのは、消費税法第9条で定められているものです。
つまり、国が法律で「税金の横領」を法律で認めていることになりますね。
よく考えればありえない話ですね。
ですから、国や財務省も最初から、100円のものに上乗せされた10円の消費税という考えをとっていないのです。
このブログにも書きましたが、100円のものを買えばレシートにある「消費税10円」が上乗せされて値段が110円になっている記載方法が混乱を生んでいるのです。
国や財務省は消費税を預かり金ではなく、事業者の粗利益に係る付加価値税だということをわかっていたから、消費税法で免税事業者という制度認めているのです。
つまり、消費税は預かり金ではありません。
預かり金でない以上、益税が発生する余地はありません。
どうも「益税」にこだわる人は消費税の基本理念がわかっていないようです。
ですから「インボイスが益税解消のために必要だ」という話そのものが嘘でありえないことだといえます。
しかし、国や財務省のプロパガンダはかなり浸透していて、フォロワーが500万人を超えるようなYouTuberが「インボイスは益税解消のために必要」等と動画をあげていました。
ところが、これまで私がお示ししたような消費税の成り立ちをよく知っている多くの人たちから、このYouTubeバーのコメント欄に激しく抗議が行われました。
「おかしい」「あなたは間違っている」などとコメントが集中したため、もうその動画はこっそりと見れなくなっています。
これまで取り上げてきたように、消費税やインボイス制度は「嘘まみれ」で作られてきました。
もういい加減、本質を見抜かなければいけないと思います。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。