朝日新聞が昨年(2021年)の出生数を予測しました。
これは厚生労働省が毎年12月に出すその年の出生数の推計値をもとに算出したものです。
それによると去年の出生数は約80万5千人程度となるようです。
要するに日本の人口が減り続けているという事ですね。
(内閣府資料より)
私は大学を出て当初は病院勤めをしておりました。
ある時、厚生労働省(当時の厚生省)に高齢者の様々な問題の対応をお願いに伺ったことがあります。
話し合いの場に出てきた厚生労働省の若い官僚がいとも簡単にこういったことを覚えています。
「高齢者問題の大半は出生率を上げることによって解決する」と。
「最低一家族3人の子供さんを育ててほしいと思っていまして、私ところも子供が3人います」
もちろんこれは極論ではありますが問題解決の必要条件です。
今日本で夫婦で何人の子供が欲しいかとアンケートをとると平均2.1人との回答が出ています。
しかし実際は一家庭1.91人の子供しかいません。
理由は簡単です。
「育てられない」理由があるからです。
日本を支える若い人たちの世代が、ピラミッドの底辺のように大きく強くなければ社会が先細りしてしまうのは当たり前です。
日本の総人口は2010年にピークを迎え、そこを境に減少を始めています。
それに加え、高齢者人口の層は増加し続けて高齢化が進行し、2050年代にはこちらもピークを迎えます。
(時期的に考えますと、ちょっと怖い話ですが以前ブログにも上げておきましたが、「南海トラフ大地震」は2035年± 5年の間に起こると言われています)
少子化が続いていることから、今後出生率が好転しない限りは、生産年齢人口は大幅に減り続けます。
2050年の年少人口(15歳未満の人口)の数値は1,077万人と想定され、2018年より470万人近くも減ると推計されており、さらなる少子化が進みます。
では少子化対策には何が必要なのでしょうか?
いろいろな考え方がありますが、まずはカップルの成立が必要でしょう。
婚姻率も1973年には概ね10.0程度だったものが、2019年には4.8と令和婚と騒がれた中でも低い婚姻率を記録し、低下傾向にあります。
婚姻率=(人口1000人あたりの婚姻件数)
婚姻件数や婚姻率の低下には、未婚化や晩婚化が進行していることが要因にあり、出生率にも影響してきます。
では、未婚者はどんな対策が「結婚を希望する未婚者」のために重要だと考えているかを調べてみました。
男女とも全体の傾向と同様に「雇用対策をもって、安定した雇用機会を提供する」(男性47.9%、女性が50.1%)が最も多くあげられています。
男性では、次いで「賃金を上げて、安定した家計を営めるよう支援する」が42.7%、
「夫婦がともに働き続けられるような職場環境の充実」が25.6%
女性では順位が入れ替わり、「夫婦がともに働き続けられるような職場環境の充実」が41.2%で第2位となっています。
全体では第6位であった「出会いの場を提供する」は、適当な相手にめぐり合わないことを理由にあげた結婚を希望する未婚者で、男女ともに第4位(男性23.2%、女性21.2%)にあげられています。
こうして見ていくと出生率が下がる原因がちゃんと存在しています。
「出生率を上げなければいけない」という回答はすでに私が若かった頃から国や厚生労働省は気づいていました。
あれからほぼ40年、改善するどころかますます深刻になって来ています。
国の将来を案じるのであれば、待ったなしの対策が必要となっています。