昨日の続きです。
もしもあなたが補聴器を拾ったら警察署に届けてみてください。
業界と警察庁が新たな取り組みを始めています
拾った補聴器を警察署に届けると、製造番号をたどって販売店に連絡、購入した持ち主をたどることができるという仕組みが開発されています。
今年の2月の上旬に全国の警察署へ周知され、運用はすでに始まっているとのことです。
補聴器は高価なものだと数十万円することもあるため、無くしてしまった際は使用者は罪悪感にとらわれがちです。
また再購入には多額の費用がかかります。
最近はコロナ禍で、マスク使用が日常的になり、マスク着脱時にひもが引っ掛かり補聴器が外れるようなことが多くなっています。
特に耳掛け型補聴器の場合が多いようです。
外れて落下、さらにそれに気が付かず、「帰宅したら耳についていなかった」という方がとても増えているみたいです。
20年くらい前に、「ヨーロッパを海外旅行中に落とした補聴器が、数カ月後に海を渡り日本の持ち主に戻った」という話がありました。
それぐらい外国では補聴器の普及が進んでいます。
つまり落ちているものが「補聴器」であると認識できる人が多いという事でもあります。
海外の補聴器の普及の状況はどうなっているのでしょうか。
日本補聴器工業会の資料によると、人口あたりの補聴器の出荷台数でみると、日本を1とした場合、アメリカとドイツは2倍強、イギリスは約4倍、比較的少ないフランスでも日本の2倍弱となっています。
日本での補聴器の普及率は海外の半分以下で、日本の補聴器普及率はかなり低いと言わざるを得ません。
自己申告難聴者数における補聴器所有率は14.4%にすぎません。
また、実際に補聴器を使用している使用率になると13.5%となり、アメリカの30.2%、ドイツやフランスの34%台と比べると大きな差があります。
イギリスはさらに高く、42.4%という数字があり、日本と欧米諸国との差は顕著です。
この大きな差の原因にはさまざまなことが考えられますが、補聴器の販売制度の違いが大きく影響していると推測されます。
国よって異なりますが、イギリスやデンマーク、ドイツなどでは、福祉に対して独自の伝統・制度を持っているため、補聴器の販売・供給体制が社会的に整備されています。
つまり補聴器が普及しやすい環境が整っています。
そうした背景も日本と海外の補聴器普及率の差に影響を及ぼしていると思われます。
日本でも65歳以上の方(一定の所得額以下)で、医師が補聴器の使用を必要と認める方が補聴器を購入した場合にその費用を助成する制度があります。
これらの制度も活用しながら、必要であればぜひ補聴器を購入していただきたいと思います。
そしてもしどこかであなたが補聴器を拾ったら、まずは警察に届けてみてはどうでしょうか?
思わぬ人助けになるかもしれませんよ。