hayatouriの日記

はやとうり の独り言

少年野球から野球そのものを考える  その6

昨日からの続きです。

 

高校1年当時の桑田氏は監督に向けて話を続けます。

 

「9時間の練習は集中できませんし、短時間で集中して練習したいのです。サボりたいのではなくて、その後に、自分がやりたい練習をするというのはどうでしょうか・・」


「例えば、3時間で全体練習を終わって、僕はランニングをしたり、シャドーピッチングをする。清原くんだったら室内に行って打ち込みをするとか。体調が悪い人は休養に当てて次に備えるとか。自分で考えて練習するっていうのが大事ではないでしょうか・・」


「でも次の選抜高校野球に出られなければ、元に戻してもらっていいですから。監督、やりませんか・・」と。

高校1年生の野球部員が監督に対して自分が考えていることをきっちり発言・提案できるのは本当に素晴らしいことです。

 

しかも論理的で筋が通っています。


当時の中村順司監督のお顔を今でも思い出す方は多いと思います。

 

それこそ当時は全国一の名将と呼ばれていた指導者です。


驚いたことに、なんとその中村監督がこの高校1年生の提案を受け入れるのです。


そして練習を3時間にしてみると、それからさらにPL学園は強くなっていくのです。


世間一般で見れば桑田氏はPL学園でそれこそ「血を吐くような」猛練習を続けてきて、それで現在の地位を得たとするイメージがあると思います。


しかし本当はPL時代の彼は1年生のはじめを除いては、3時間の合同練習で効率的にやっていたというのが事実なのです。


中日ドラゴンズにいた立浪選手も桑田氏の2年後輩ですが甲子園の春夏連覇を果たしています。


桑田氏のこのような姿勢は、ジャイアンツに入ってからも貫かれています。


練習時間の合理的短縮や1時間半もあるウォームアップ時間の短縮、体のケアの重視や休息の確保等を勝ち取って行ったといいます。

 

また桑田氏は当時、喫煙するプロ野球選手が非常に多かった中で、今でいう「分煙」や禁煙を提起したので、逆に選手の中では「煙たがられていた」ようです。


結局のところ、プロ野球選手の多くは中学校・高校時代このアンケートに見られるように、まさに飛田が言うところの「死の練習によってつちかわれる」=「練習量の重視」ばかりを押しつけられ、科学性や合理性を欠いた状態で育成されていたのです。

 

実際にプロ野球選手のアンケートでも中学時代の指導者については、「指導者の指示通りに練習をしていたと思う」は70%近くいます。


同時に自分が指導者となったときに同じ内容の指導したいと思うかを尋ねると「いいえ」が50%超えています。


つまり自分の時と同じような練習はさせたくないと思ってるプロ野球選手が多いのです。


次に面白い結果のアンケートがあります。

 

 

つづく