昨日の続きです。
「指導者が練習時間内にタバコを吸っていた」という設問では、中学時代では「はい」が50%、高校時代は42%もあります。
次の設問は驚きです。
まさかの設問です!
「指導者が選手の前で飲酒していた」という設問では中学校で16%、高校で11%が「はい」と答えています。
つまり酒を飲みながら「指導」しているということになります。
もうはやこうなれば、教育でも何でもないですね。
指導者としての資質が問われる事態です。
次に体罰のアンケートです。
「指導者から体罰を受けたことがある」、これは中学校で「はい」が45%、高校は46%。
「先輩から体罰を受けたことがある」だと中学36%、高校51%となっています。
率直に言って多いというのが実感です。
たとえどんな事情であっても体罰を行ってはいけないのです。
しかしこの体罰に対する考え方については意外な結果が出ています。
「必要である」と「ときには必要である」を合わせると、中学でも高校でも83%の人が体罰を容認しています。
つまり体罰が常態化していたため、体罰はやってはいけないもの、やめさせるべきものと捉えることができなくなっているのです。
桑田氏も言っていますが、冷静に考えれば「体罰で野球が上達することはない」のです。
怪我についての調査では「オーバーワークによる怪我を経験したことがある」は、中学が「はい」42%、高校51%です。
問題は次の設問ですが「怪我を我慢してのプレーを強要された経験がある」は中学で「はい」は25%、高校は31%となっています。
怪我をしても勝つためには選手を出場させるという指導者の意図が現れています。
逆に「球数制限を受けたことがある」と言う質問に対しては、「いいえ」が中学高校ともに70%以上となっています。
桑田氏は高校時代から「ノースローデー」を作っていました。
甲子園から帰ってくるとまるまる1ヵ月ボールを握らない練習を行っていました。
この点でもきちんと監督を説得し独自のメニューをこなしていたようです。
そして最後の設問は「現在の日本野球界(プロ、アマ共)のあり方について」でした。
これに対しては「改革が必要だと思う」と答えた人が62%に上りました。
この調査結果に桑田氏は「飛田穂洲はまだ現場で生きている」と感じたそうです。
まず練習時間を見ても「練習量の重視」と言う飛田の考え方が如実に表れています。
少年野球の指導者になる人たちは、自分の「成功体験や経験」をもとに指導しがちです。
「死ぬほど猛練習をしたから」
「監督や先輩から殴られたりしたが、それは自分に対する期待だし、逆に自分の精神力強化につながった」
だから「私もそのような指導をしたいし、それでチームは勝利できるし子供たちは成長するのだ」と勘違いしてるとしたら恐ろしいことです。
「練習量の重視」「精神の鍛錬」「絶対服従」からの脱却こそが未来につながる新しい野球の出発点になるのは間違いありません。