昨日の続きです。
「報告書」は続けます。
そのためにまずは、財政拡大による高圧経済を継続することで賃上げ 圧力をかけ続けるとともに、雇用流動化を進め、企業間の賃上げ競争を促さなければなら ない。
雇用の流動化にあたっては、法制度の見直しに限らず、民間企業の雇用慣行の見直 しも必要となる。
また、公共部門の賃上げと雇用拡大により、直接的に中間層の底上げを 図りつつ、民間企業においても賃上げせざるを得ない環境にしていくべきである。
(例えば公務員の賃金を上げれば就職志望者が増えます。すると良い人材確保のためには民間も賃上げせざるを得ない雰囲気が出来てきます。)
一国のマクロ的な循環に限らず、国内の各地域における経済循環の改善も課題である。
財政支出によって各地に供給される資金が、その地域において循環し、経済成長していく ことが望ましい。
(例えば大手の会社が地方に販売店をだします。そこで買い物をしても地方から本社のある都市、例えば東京に富が集まります。地域でのお金の循環が大事なのです。)
本社機能の分散化、地元企業の経営支援拡大、地域金融機関の役割強化 等により、地域内の経済循環を改善させていく必要がある。
こうした一連の政策により、これまでの「需要不足と中間層衰退の悪循環」から、「需要 拡大と中間層の底上げの好循環」へと移行させていく。
以上引用
読んでいただいてどう思われましたでしょうか?
「失われた30年」と言われ、緊縮財政を続けた結果はすでに述べた通りです。
景気が落ち込み国民の実質賃金は下がり、経済力も国力も低下しました。
それに対して経団連にこのような報告書が上がりました。
これまでの経団連の方針が真逆にと言っていいほど変わろうとしています。
キーワードは「賃上げ」です。
もちろん来月からなどという展開ではありませんが、あの経団連が「中間層復活のため」に官民合わせた取り組みを提起し始めたのです。
私は経団連のことを無条件に信頼してはいませんが、このことに関しては非常に喜ばしい方向転換だと思っています。
もし経団連がこの方向をきちんと打ち出せば、そこは自民党・与党に大きな影響力を持つ組織ですから、何らかの政策的変更も起こる可能性があります。
注目していきたいと思います。