hayatouriの日記

はやとうり の独り言

日本の農業が危ない その3

昨日の続きです。

 

こうした肥料価格高騰や調達への不安は世界に広がっています。

 

農業大国ブラジルもそうです。

多くの農産物を世界各国に輸出しています。

日本にはトウモロコシ(輸入全体の35%)や大豆(輸入全体の15%)などを輸出しています。

一方で肥料の原料は85%を輸入に依存していおり、国際的な肥料原料の価格上昇のあおりを受けています。

ブラジル南東部・サンパウロ州で農業を営む、日系2世のOさん、1600ヘクタールに及ぶ広大な農地で、大豆やトウモロコシ、小麦を栽培しています。

Oさんも肥料原料の価格上昇に頭を痛めています。

去年、1トンあたり2800レアル(日本円で約7万3000円)だった肥料が、ことし5月にはおよそ倍の5800レアル(約15万3000円)に値上がりしました。

Oさんは年に2回の収穫をする二毛作を行っているため、肥料代の負担は特に大きいといいます。

ブラジルは輸入する肥料原料のうちおよそ4割をロシアとベラルーシの2か国に依存しています。

ボルソナロ大統領は、軍事侵攻が始まる1週間前のことし2月16日にロシアを訪問し、プーチン大統領と会談します。

肥料の調達が大きな議題となりました。

ブラジルは、軍事侵攻が始まって以降もロシアへの経済制裁には中立の立場をとり続けています。

ブラジル ボルソナロ大統領は・・・

「(ロシアに行ったのは)ブラジルの国益のためだ。軍事侵攻には中立を保つが肥料はなければ生き残れない」 

と話しています。

日本政府も肥料調達に動いています。

 

農林水産副大臣をモロッコアメリカ、カナダに派遣して、外交ルートでの肥料の安定確保を後押ししています。

さらに、JAや商社が調達先を切り替えたことで増えた輸送費などを肥料会社に補助を始めました。

 

農家の費用負担を抑える新たな制度の検討も始まっています。

 

今後肥料はどうなっていくのか。専門家は国際的な肥料不足は一時的なものではないと指摘しています。

 

日本総研 三輪エクスパートはこのように話しています。

 

「これまでも災害や需要が増えることで肥料価格が高騰することはありました。

 

今回は中国やロシア、ベラルーシの輸出の制限や、自主的なものも含めた貿易の制限が発端となっています。

 

極めて政治的な要素も含めて発生しています。

 

広大な国土を持ち、資源が豊富な国が国際的にも発言力を増しており、政治的な摩擦の当事国になってくるケースが多くなります。

 

日本が必要としている資源が国際情勢で足りなくなるということが頻発する可能性があるので、これから先は抜本的な解決策が求められてくると感じています。」

 

つづく