自分の持ち物でずいぶん長く使っているものが皆さんそれぞれあるんじゃないでしょうか。
例えば車でもずいぶん長く乗っている方もいます。
時々路上で「えぇ〜!このタイプの車まだ走ってる!」とかびっくりすることありますよね。
バッグや時計や貴金属などもひょっとすれば親の代からの譲り受けなんて品物もあるかもしれません。
また大工さんなどの職人さんでは、この道具が手に馴染んでいるからずっと使ってるよ!
きっとあるはずです。
なんでも使い捨ての時代になってきましたが、愛着があって捨てられないものも結構ありますよね。
私の場合、自分の肉体以外にそんなに長く使っているものは無いのですが、それでもいまだに現役の道具があるんです。
中学3年から使っている国語辞典ともう一つ・・・
このバリカンとハサミです。
そろそろ52年の付き合いになります。
もうずいぶんずいぶん昔の話ですが、私が子供の頃は小学校の髪型は男性も女性も自由でした。
中学校に入ると男子は丸坊主に決まっていました。
本人がなんと思おうがそう「決まって」いたのです。
今だったら人権問題とかに発展しそうな事案です。
それで小学校を卒業した直後に「いややけど、やっぱり坊主頭にせんといかんのかなあ?」
なんて考えていたところ、親父が買ってきたのがこのバリカンとハサミでした。
忘れもしません。
世間では大阪で万国博覧会が開かれていて、まるでお祭り気分の日本でした。
このバリカンとハサミを使って親父が小学校6年生の私の頭を丸坊主にしていったのです。
天気の良い日に庭に椅子を出して、耳の横からジョリジョリとバリカンの音が響きます。
ものの十数分もすると坊主頭の出来上がりです。
大人たちの意見では、丸坊主の頭はどこにいても目立つので中学生として見つけやすいらしいです。
つまり犯罪防止の抑止力にでもなると思ったのでしょう。
つづく