昨日の続きです。
市長の提案に対して多くの市民が抗議しています。
「マイナンバーカードの有無にかかわらず、保育料・給食費・学用品費を無料とすることを求める」署名は、50,000人近くに達しています。
では、どうしてこんなことになっているのか深掘りしてみましょう。
市が22年度に実施した給食費・学用品費無償化は「国の新型コロナウィルス感染症対策対応地方創生臨時交付金による事業で、あくまでも"子育て支援"」であるという考えに立っています。
岸田政権は、23年度予算案にはこの交付金を計上しておらず、市は給食費・学用品費無償化を22年度(23年3月末)で終了します。
2月20日の市議会に提案された給食費と学用品費に関する新条例案では、給食費・学用品費を「徴収する」と明記しました。
その特例として「市長は、特に必要があると認めるときは、規則で定めるところにより減額し、又は免除することができる」としました。
この「減額・免除」の条件として、規則の中に、全世帯分のマイナンバーカード取得が盛り込まれているのです。
市の担当者は「給食費・学用品費は本来保護者が負担すべきもの」「減額・免除は、マイナンバーカードを取得した人のためのインセンティブ(特典)である」と語っています。
つまり「減額・免除」制度は、マイナンバーカードの普及と子育て支援を両立させるものだと開き直っているのです。
市はさらに、カード取得者1人につき、2000ポイントを付与する電子地域ポイント授業を2月から始めています。
このように、問答無用にマイナンバーカードの普及に突き進んでいる自治体の姿が明らかになってきました。
その本当の原因もまた別にあるのです。
岸田政権は、地方交付税交付金の一部について、マイナンバーカードの普及率によって配分を変える仕組みを作ってしまいました。
本来、自治体間の財政調整制度である地方交付税交付金は、国の特定の政策を推進するために使ってはいけないものです。
マイナンバーカードの普及率を一部の地方交付税交付金の算定基準に盛り込む今回のやり方は、自治体間の競争を煽る仕組みを作り上げてしまいました。
つづく