昨日の続きです。
さて、いよいよ外国の例について調べてみたいと思います。
皆さんはもう十数年前になりますかね。
マイケル・ムーアというアメリカの社会派映画監督が作った『SICKO』(シッコ)と言う映画をご存知でしょうか。
この映画は、4700万人の無保険者だけではなく、保険料を支払っている数百人にもマイナスの影響を及ぼすアメリカの医療システムの実態を記録したものです。
カナダ、イギリス、フランスも訪問しています。
国民全員が無料医療の恩恵を受けるこれらの国々の実情と比較しながら、アメリカの混乱した医療制度を浮き彫りにしています。
この映画の中で、アメリカのお産シーンがあったと記憶しています。
妊婦さんは、出産に必要な衛生材料等をすべて自費で購入してきます。
それを病院に持ち込んで出産するわけですが、出産に対する彼女が自分でかけていた保険は入院1日分しかありません。
もちろん、公的な医療保険等は無いのです。
ですから、病院としては1日で退院を要求します。
看護師が前日出産したばかりの母親を訪問します。
「どうですか?まだ痛いですか?立てそうですか?」と尋ねます。
当然のことながら、母親は「痛い」「立てない」と回答します。
すると、看護師は車椅子を用意してそれを押して病院の外に母親と子を連れて行きます。
「どうぞお家にお帰り下さい」というわけです。
日本では考えられないようなことが平気で行われています。
具体例を見てみましょう。
日本では通常、正常分娩で4~7日の入院、異常分娩で7~10日入院をします。
海外では日本と違い、入院日数はかなり短い場合が多いのです。
特にアメリカの場合、映画の中にあったように、保険の種類によっては出産後1日までしか保険が適用されず、出産して1日で退院するケースが主です。
出産時には、非常に多くの女性が無痛分娩を選びます。
保険については、日本では正常分娩をした場合保険は適用されませんが、アメリカでは妊娠、出産をカバーしてくれる保険に入ることができます。
ただし、その費用はとてもとても高額であるとされています。
他の外国と日本との出産時の違いは多岐にわたります。
例えば、イギリスでは妊娠から出産までの病院費用はすべて無料です。
日本では助産師は女性にのみ与えられた資格ですが、オランダやフランスでは男性にも与えられ、男性が助産師として勤務しています。
アジア諸国では占いや風水を重んじて、出産の日程や出産後の習わしを決めていくこともあります。
つづく