hayatouriの日記

はやとうり の独り言

「死に方がわからない」 その13

 

昨日の続きです。

 

叔父が退院するちょうど10日前に、病院の「地域連携室」から連絡がありました。

 

介護保険のサービスを使うために、新しい介護保険証が欲しいということでした。

 

多分郵送で自宅のほうに送られていると思うので、それを確認してほしいとの話でした。

 

退院が間近に迫っているので、自宅に戻ったときに、介護サービスを同時に開始しなければならないからです。

 

同時に、後期高齢者医療保険証も8月1日から新しいものに変わります。

 

退院が7月28日でしたから、この新しい保険証も受け取ることができていません。

 

しかし、私は遠方に住んでいてすぐに駆けつけられる場所にいないのでその旨を話しました。

 

すると「なるほど」と納得していただき、「こちらの方でなんとかするようにします」とお返事をいただきました。

 

正直「入院の保証人なんですから、そこをなんとかしてください」と言われるとつらいなぁと思っていました。

 

この担当者の一言にずいぶんほっとした記憶があります。

 

この「地域医療連携室」について少し紹介したいと思います。

 

ある一定規模の病院(概ね100床を超える病院)には、呼び方が違うかもしれませんが「地域医療連携室」というような部署があります。

 

そこには、医療ソーシャルワーカー(MSW)と呼ばれる人たちがいます。

 

仕事内容は、医療を必要とする人の経済的、心理的、社会的問題のフォローや、社会復帰の援助等に携わっています。

 

つまり、病気になって起こりうる、病気以外の様々な問題を解決に導いてくれる人になります。

 

現在のところ、このMSWそのものの資格はありません。

 

ただし多くのMSWの方は、国家資格である社会福祉士精神保健福祉士の資格を持っている専門職です。

 

実は、私も40年ほど前に社会福祉系大学を卒業してこのMSWを目指していました。

 

卒業後、すぐに病院に就職したのもその目標があったからです。

 

当時はこの仕事が医療機関で必要であると考えるのはなかなか先進的なことでしたが、今ではごく当たり前の考え方になっています。

 

それは、進んできた病院や医療の機能分化と深く関わりがあるからです。

 

機能分化を進めることは医療資源の分配を最適化し、無駄なコストを抑えて、毎年増えていく医療費を抑制することを大きな目的としています。

 

1つの病院があらゆる機能を持つと、その無駄も増えるので、それぞれ役割分担していきましょうという考えです。

 

私たちがよく目にするのが「医薬分業」ですね。 

 

昔は病院や診療所で診察と同時にお薬までもらえました。

 

それが今では機能分化により分業となっているのです。

 

しかし、一方で業務が分化し特化してしまうと、同じ病院内や地域でも連携が取れなくなってしまうケースが多発します。

 

そのことによって不都合が生じたり、かえって無駄が増えたりすると意味がなくなりますからその間を取り持つコーディネーター的な役割が必要となります。

 

ここで出番となるのがMSWとなるわけです。

 

つづく