昨日の続きです。
このブログも、いよいよ最終版に差し掛かりました。
ライドシェアについて推進の「雰囲気」が盛り上がっているようですが、今回のブログではその問題点を取り上げてきました。
都市部では、気候の変動や災害などで、鉄道などが動かなくなった時にタクシー待ちをする長蛇の列が紹介されます。
しかし、この状況はタクシー不足が原因のものではありません。
需要と供給のバランスが瞬間的に非日常になっているだけです。
実は、今でもかなり田舎であったり、完全に公共交通網がないなどのある条件を満たした地域ではライドシェアが行われています。
私は考え方の順番としてはこうあるべきだと考えています。
まず公共交通網が崩壊している地方では、何とかこの公共交通網を維持するために、行政と住民が力を合わせてアイデアを出す必要があると思います。
つまり公の機関が関わった公共的な交通網の再建が第一にあるべきです。
第二は民間企業等の公共交通への参入を進めるということです。
以上の2つは、そこで働くドライバーがきちんとした労働者としての権利と義務を果たす条件が必要です。
そして、最後の手段としてライドシェアを準備すべきだと考えています。
もちろん、これまで述べてきたような安全安心への対策を十分に取った上での参入です。
また東京や大阪でライドシェアを一律に解禁する必要はないと思います。
私も、試験的にタクシー配車アプリ「GO」をスマホに取り入れて、都市部の様々なところでの乗車設定を試してみました。
大体、東京大阪では通常昼間の時間帯なら中心地では1分〜5分の間に配車されるのです。
コロナの当時激減したドライバーさんの復職も進んでいるようです。
また、アメリカなどでは、ライドシェアによる車両の交通事故が多いため保険料は非常に高く、それも加味されているために乗車料金は比較的高く設定されています。
日本のライドシェアも、保険の強制加入やドライバーの研修、車両等の点検回数を増やすなどが義務付け加えられれば料金設定が必ずしも安くなるとは限らないのです。
日本のタクシーのサービスや安全管理は、アメリカなどの比ではなく非常に厳しく管理されています。
外国からの旅行客もタクシーの安全性、清潔性、サービスの良さに驚かされるようです。
日本独自のタクシー文化といってもいいと思います。
このような良き日本のタクシーやそのドライバーを守りながら、実際に必要な地域に安全安心のライドシェアをどう届けるのかを考えなければなりません。
今、「ライドシェアに慎重な人たちは改革を止める人たち」的な情報や雰囲気が流されています。
そんな浮ついた雰囲気で拙速な議論を先行させるのではなく、地に足のついた議論をしていく必要があると思います。
ライドシェアを考えることは、日本の交通網や国民の移動の自由について考えるよい機会だと思います。
今回のブログも長くなってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました。