hayatouriの日記

はやとうり の独り言

「江戸の長屋」 その8

 

昨日は天ぷらの話に進みましょうというご案内をしましたが、少し寿司について考えてみましょう。

 

皆さんももちろんお好きでしょうし、今や世界的な人気フードとなった「寿司」。

 

でもふと疑問に思う事はないですか、

 

寿司一貫って2個なの一個なのって?

 

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実際に回転寿司などで注文をすると、少しお値段が高い場合は1個だけ出てきます。

 

かと思えば、2個1セットのお皿もあります。

 

寿司の話題が出たついでに、この点も調べてみたいと思います。

 

「一貫(かん)」とは、もともと「寿司2個」のことでした。

 

これは江戸時代の握りずしの大きさが関係しています。

 

江戸前寿司が、最初に提供されはじめたころ、1つの寿司はネタを数種類乗せた360g〜400gほどの大きなものでした。

 

レンジでチンする「さとうのごはん」が大体200gですから、あのパッケージ2つ分と考えたら巨大なものになりますね。

 

その後、両国で江戸前寿司の店を構えていた華屋与兵衛(はなやよへえ・1799年~1858年)が、好きなネタだけ食べられるようにネタごとに切り分けてひとつ40gほど大きさで提供するようになったそうです。

 

この切り分けた寿司が広まり、40gが「寿司一貫の重さ」の基準になっていったようです。

 

なぜ、寿司の単位を「一貫」という重さのように呼ぶのかについては、また後ほどある説をご紹介したいと思いますが、ここではそれには触れないでおきます。

 

しかし、小さく切り分けたとはいえ、40gは現在の寿司1個の倍ぐらいの大きさです。

 

江戸っ子は気が短くて、食事も早く食べたいと思っています。

 

そこで店では一口で食べられないので、食べやすいように半分に切って提供するようになりました。

 

一貫の寿司1つを2つに切ったので「寿司2個で一貫」となったのが本来の姿です。

 

(あくまでも、寿司1つを2つに切ったのであって、小さく2つ握ったわけではありません)

 

その後、2つに切らず現在と同じサイズで握られるようになりましたが「寿司2個で一貫」として提供されました。

 

昭和になると、寿司ネタを大きくして「寿司1個で一貫」にするお店が登場します。

 

そのお店では寿司ネタが大きいので寿司1個で一貫として提供していたのですが、いつの間にか普通の大きさの寿司1個を一貫として提供するお店が増えてきました。

 

現在は「寿司1個で一貫」という考え方が主流のようです。

 

「寿司1個で一貫」が主流ですが「寿司2個で一貫」として提供しているお店もあります。

 

どちらが正しくどちらが間違っているというのはなく、お店ごとに異なりますので、注文のときには確認をした方が良いでしょうね。

 

つづく