昨日の続きです。
パーキンソンの第一法則の具体的事例について見ています。
パーキンソンの第1法則の事例2.
部下への仕事の振り方
次は、部下への仕事の振り方を変えたことで、部下の仕事効率が大幅に上がった事例を紹介します。
お世辞にも要領が良いとは言えない部下と、その上司がいました。
上司は部下に仕事を振るのですが、部下の要領が悪く、なかなか指定した時間に成果物が上がってきません。
そこでその上司は、部下への仕事の振り方を工夫しました。
今までは100の仕事を5時間でやってほしいという形で指示を出していました。
それに、変化をつけて仕事を細かく分解し、20の仕事を1時間でやってほしいという指示を5回出すことにしました。
すると、部下の仕事のスピードに変化が現れました。
なんと、従来の振り方をしていたときよりも、目に見えて成果物が出てくるスピードが上がったのです。
これは、部下にパーキンソンの第1法則が働いていたために起こった事例でした。
その理由は、その部下は5時間という時間に余裕を感じてしまい、つい集中力を切らしてしまっていたのです。
ところが、1時間おきに締め切りがくるという状況を作ったことで、部下はいい意味でのプレッシャーを感じ、結果、むしろ時間が余るくらいの仕事をしてみせたのでした。
このようにパーキンソンの法則は、自分ではなく部下にも影響をおよぼしている場合もあります。
そういったときは、こちらの方から仕事の納期を細かく区切るなどの提案が必要です。
そうすることで部下に緊張感が生まれ、仕事の効率が上がるわけです。
しかし、注意が必要なのは、あくまでも、部下の性格や作業能力を把握した上での提案でなければなりません。
パーキンソンの第1法則に対しては、以下のような対策が効果的です。
時間に余裕があるときは自分で締め切りを設定する
仕事をタスクで分けて時間管理する
あえて人員を減らす
まず、時間に余裕がある場合は、自分で短めの締め切りを設定してしまうのが効果的です。
かつ、いつやるか、というところまで決められれば完璧です。
たとえば、1日かかる仕事に対して3日の猶予があったとします。
この場合は、2日目の1日だけを使って仕事を終わらせる、とみずから決めてしまうわけです。
そうすれば、時間の余裕がなくなり、良い意味での緊張感を持てることで、無駄な時間を使わなくなります。
また、もう1つの対策として、仕事を細かいタスクに分けるというのも効果的です。
事例でもあったように、大きな仕事で長い時間を使おうとすると、どうしても前半の部分で無駄な時間を作り出してしまいます。
そこで、仕事を細かいタスクに分け、それぞれに余裕のない締め切りを設けるわけです。
そうすればパーキンソンの法則は働かなくなり、無駄な時間をなくすことができるというわけですね。
つづく